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青イソメに食らいついたのは…“真っ赤な恐竜”エソ25センチ 黒潮に乗って伊豆大島へやってきた

[ 2024年4月6日 10:50 ]

波浮港でエソを釣り上げた筆者と榊さん(左)
Photo By スポニチ

 【釣り女子アナの伝えたいこと】釣りが大好きなアナウンサー・大塚ひとみが伊豆大島へ。黒潮に乗り多様な魚が入るというが、釣れたのは意外なものだった。取材の模様は動画でもお楽しみいただけます。

 東海汽船が春に運航している千葉みなと~伊豆大島間の高速ジェット船に乗り込み、95分という早さで到着した。現地は雨。大島町役場の若手釣り師・榊健太朗さん(28)が、肩を濡らしながら迎えてくれた。

 「今日はあいにくの天気ですが、波浮港ならなんとかなりそうです。行ってみましょう」

 伊豆大島は港や三原山噴火の溶岩でできた磯が数多くあり、どこで釣るかが重要。天候や海の様子に加え、培ったカンを頼りに決めるそうだ。榊さんはフカセ釣りでメジナ狙い、私は持参した青イソメを投げたり足元に落としたりしてみる。するとすぐ、私に魚信。竿先が暴れ始めた。手応えを感じながら巻き上げると、約25センチの真っ赤なエソ。ギョロッとした目に、鋭い歯。恐竜みたいだなぁ。

 「かまぼこになる魚ですね。大島にはイソメを売っているところがないので、意外な釣果は見ていて楽しいです」と榊さん。その後、間もなく雨風が強くなり、無念の撤退。居酒屋でビールを飲みながら、翌日へのリベンジを誓った。

 翌朝、港に着くと3人の助っ人が。榊さんの先輩や後輩で、仲間のピンチに駆けつけたという。青物を狙うルアー隊が加わり再スタート。ヒットしたのはまたも私。前の1投でハリスが切られていたこともあり、嫌なあの魚を想像するとやはりクサフグ。場所を少し移動し投げ直すと今度は鮮やかなベラが上がってきた。なかなか時合が来ず苦戦する中、新たな助っ人が!榊さんの先輩の釣り仲間、小川栄治さん(64)だ。島に古くから伝わる釣法で挑戦してくれた。

 「このあたりでとれる“ハンバ”というノリを餌にしてブダイを狙うんだ」。「ハンバ」は「島ノリ」や「ハバノリ」とも言い、冬に吹く西風で島の岩々に付着してできるノリのこと。冬場の島民の食材であり、冬に食性が海藻に変わるブダイを釣る餌にもなるのだ。残念ながらその後は誰も釣果を上げることはできなかったが、気が付くと周りにはたくさんの島民が。心のクーラーボックスは、満タンだ。

 榊さんは「悔しいですね。でも、釣りは大島の一番の魅力です。三原山の噴火で多様な海岸や海底ができて、それぞれいる魚が違うので、ぜひまた開拓しに来てください」

 島民の温かさに触れ、この島を訪れる日も近い。

 ≪クセになる!!特産品「くさや」初挑戦≫伊豆大島の特産品「くさや」に初挑戦。くさやとは、トビウオやアオムロアジを特製の液に漬け干したもの。保存できる食材として離島で重宝されてきた。目の前に出されると、鼻を刺すような強烈なにおい。しかし一口食べたら「うまい!」。うま味が凝縮され、かめばかむほどおいしいではないか。島の人はもちろん大好物で、「においだけで白米が食べられる」なんて人もいるそうだ。

 ◇大塚 ひとみ(おおつか・ひとみ)1993年(平5)生まれ、千葉県出身。フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局、栃木放送、ウェザーニューズを経てフリーに。釣り歴はカサゴなど小物釣りを中心に20年。

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