【阪神・佐藤輝 単独インタビュー(2)】理解度が深まり「今年はスゴくおもしろい」

[ 2024年3月26日 05:15 ]

阪神・佐藤輝

 阪神・佐藤輝明内野手(25)が25日、本紙の単独インタビューに応じ、昨年末から取り組む「MLB打法」について昨季との違いを自ら解説し、完全習得への自信を示した。打率・356、9本塁打、29打点だった昨年9、10月と同じ好調での発進を予感。オープン戦は最後6試合を打率・500(24打数12安打)、2本塁打で終え、“無双”の勢いで「3・29」を見据えた。 (取材・構成=倉世古 洋平、八木 勇磨)

 ※(1)からの続き

 ――最終的にオープン戦では好不調の波が少なかった。
 「それはやっぱり、自分のフォームをしっかり、より理解しているからだと思います。フォームのイメージを変えるにあたって“自分がどうやって振っているか”というのをしっかり、もっと理解できてくると、波ももっと少なくなるかな、と思います。でも、昨年とかに比べても、その理解度は深まっていると思います」

 ――新たに取り組む打撃フォームの手応えや成果は。
 「ありますよ。もちろんイメージを変えたことによって、打球の飛ぶ方向が変わったり、しっかり打球が上がったりすることが増えた気がします。いい感じで、バッティング練習で打てることも増えているかなと思います」

 ――実戦の中で“この打球はよかった”というものは。
 「逆方向とか、センター返しに打てている打球というのは、結構イメージ通りです」

 ――打つ際、目線をより球の高さに合わせているように映る。
 「それもあります。球を“斜めに見る”ことで、高めにもあまり手が出なくなるし、そこで、その傾きで、股関節の曲がる角度で打球角度をつくる、というのを意識しています。昨年はどちらかというと、棒立ちというか、突っ立った感じのイメージがあったんですけど、今年はちょっと変えていますね」

 ――安打が出ない時に立ち戻る場所やチェックポイントがある?
 「自主トレでやってきたことが今年は全てかな、と思っているので、自主トレとキャンプでやってきたことをもう一回見直して、という感じですね。詳細は一概には言えませんが、主なチェックポイントは何カ所かあります。先ほど言った、傾き具合とか、重心がどこに乗っているとか。打撃への理解度が深まってくると、チェックポイントは少なくなるかなと思っています」

 ――突き詰めていくような感じで、口ぶりも楽しそうに聞こえる。
 「そんな感じですね。結構、バッティングに対しての理解度は深まっているかな、と思うので、おもしろいっちゃ、おもしろいです(笑い)」

 ――そういう感覚は過去3年ではあまりなかったのか。
 「そうですね。今年はスゴくおもしろいというか、そういう感覚はありますね」

 ――6日の楽天戦から15日の中日戦まで、少し当たりが止まった(6試合で25打数2安打)。あの時期は。
 「フォームの問題もあるし、体の可動域(が狭まったり)とか、それによってやっぱり打撃フォームが変わるし、トレーニング(の状況)だったり、いろんな要素がバッティングにもあると思っているので、そのどこかが崩れていた、ということじゃないでしょうか。試合も続いて、疲れもたまってくると体が動かなくなってきたり、人工芝の球場が多く足腰に負担がかかったり、いろいろあるので、そこはストレッチ、治療、トレーニングでしっかりケアしました。調子の波もあるので、それをいかに早く戻せるか、というのが大事かなと思います」

 ――今年こだわりたい、貫きたいことは。
 「バッティングフォームに関しては“これじゃないかな”というのがあるので、それをずっとやっていきたいと思っています」

 ――それができれば数字も付いてくる?
 「だと思っています」

 【取材後記】ちょうど1年前の開幕直前にも、佐藤輝にインタビューした。当時は「(5番は)打点を稼げるポジションなので、100打点はいきたい」と数字的な目標を掲げてもらった。今回のテーマはどうするべきか…。熟考の末、昨年末から取り組む新・打撃フォームについて、佐藤輝自身に“レクチャー”してもらうことにした。

 言葉に加え、実動作も交えて佐藤輝が取り組む「縦回転」のスイングについて学んだ。打撃の話をする佐藤輝はとても楽しそう。「いや、違うんですよ。それはよくありがちなんですよ」「ここって結構大事なところだと思うんですよね」。一度のインタビューでは時間も紹介スペースも足りない。「新・打撃フォーム」の続編は、また改めて――。 (八木 勇磨)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月26日のニュース