ドジャース・大谷 早朝に衝撃の一報も…2戦連続安打 一発逆転の好機で松井から大飛球も届かず

[ 2024年3月22日 02:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース11ー15パドレス ( 2024年3月21日    高尺スカイD )

<ドジャース・パドレス>7回、大谷と松井の対戦は大きな当たりの右飛(撮影・光山 貴大)
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 打席に向かおうとすると、相手ベンチが動いた。ドジャース・大谷の7回1死一塁の第5打席。4番手で松井が2試合連続登板し、メジャー初対決が実現した。初球のスプリットを強振。角度31度の飛球は高々と舞い上がったが、右翼フェンス手前で失速。データサイト「ベースボール・サバント」によれば30球場中、ドジャースタジアムを含む13球場で本塁打の117メートルの大飛球だった。

 グラウンドに私情は持ち込まない。気持ちを切り替えて一球に集中した。0―5の初回1死、右腕マスグローブの初球の内角カットボールを強振。打球速度108・7マイル(約175キロ)の痛烈な右前打を放った。2試合連続安打としてスミスの適時二塁打で生還した。前日「早い回で援護できればいい」としたメジャーデビューの山本が初回5失点で降板。後輩の悔しさを背負い、激震への感情を抑え快音を響かせた。

 早朝に「水原通訳解雇」の衝撃の一報。6時間後の午後1時過ぎに上下グレーの球団スエット姿で宿舎ロビーに姿を現し、1人でバスへ乗り込んだ。いつもそばにいた相棒はいない。喪失感がにじむ球場入り。前日は全体アップでグラウンドに現れたが、この日は室内調整に終始した。

 大谷と水原通訳は同じ13年に日本ハムに入団。左膝を手術した19年オフには、水原通訳が松葉づえ生活を支え、運転だけでなく買い物も代行した。コロナ下の20年は使用できない球場で、外周の駐車場でキャッチボールもした。21年球宴の本塁打競争では捕手役も務めた。その水原通訳はもういない。客席では父・徹さん、母・加代子さん、妻・真美子さんが観戦も、水原通訳夫人の姿もなかった。

 4点を追う2回1死二、三塁では右翼フェンス手前まで運ぶ犠飛。2戦連続安打と打点をマークしたが、両軍合わせて計33安打26得点の乱打戦で敗れた。ド軍の2桁得点での敗戦は99年以来25年ぶり。MLB初開催だった韓国での開幕シリーズは激動の中で1勝1敗。試合後は相棒を失ったまま、ロサンゼルスへ向かった。(柳原 直之)

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