ドジャース・大谷ショック…「ギャンブル依存症」水原通訳が違法賭博で解雇 大谷の口座から6・8億円送金

[ 2024年3月22日 04:00 ]

大谷(左)と水原通訳
Photo By スポニチ

 ドジャースは21日、大谷翔平投手(29)の専属通訳だった水原一平通訳(39)を解雇したと発表した。地元紙ロサンゼルス・タイムズは違法賭博への関与が浮上し、告発されたと報道。捜査対象のブックメーカー(賭け屋)に借金があり、他のメディアは大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億7950万円)が送金されたとも報じた。18年のエンゼルス移籍からサポートを受けた専属通訳の開幕戦翌日の解雇に衝撃が走った。

 報道を受けて、ド軍は声明を発表した。「球団も報道は把握しており、情報を収集している。水原通訳は解雇された。現時点でそれ以上のコメントはない」。水原通訳は球場に姿を現さず、この日の大谷と山本の代役通訳は、前田(現タイガース)在籍時の通訳で現編成部のウィル・アイアトン氏に決まった。

 スポーツ専門局ESPNは、水原通訳は違法なブックメーカーに多額の借金があったと報道。別のメディアは昨年、肩代わりを依頼した大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億7950万円)が送金されたとした。水原通訳は19日のESPNの取材に「彼(大谷)は残念がったが、二度と繰り返さないように私を助けると言った」とし大谷の賭博への関与を否定した上で、大谷自らがパソコンを操作して送金したと証言した。だが、20日に「翔平は私の借金のことは知らず、送金もしていない」と撤回。大谷側の弁護士は「翔平が窃盗被害に遭ったことが判明し、当局に問題を引き渡した」との声明を出した。

 近年広がるスポーツイベントが対象のスポーツベッティング。米国は40州近くが合法だがエ軍やド軍の本拠、カリフォルニア州では非合法だ。大リーグでは選手や関係者による野球が対象の賭けは処罰対象。その他のスポーツは合法な賭けは許可しているが、違法なものは全て懲罰対象となる。

 試合後のクラブハウスでは、帰り支度をする大谷のロッカーの前に球団幹部の一人が立ち「ノーショーヘイ」とガード。「お疲れさまでした」と4度、繰り返して球場を後にした。日本ハムに同じ13年に入団し、渡米後は大谷を献身的に支え、身の回りの世話もこなした欠かせない相棒。2月のイベントでは水原通訳について「ビジネスの関係。友達ではないが、割り切って付き合っている」と冗談めかしていたが、衝撃的なコンビ解消となった。

 当局が捜査に乗り出しているが、米メディアは「大リーグ機構によると、大谷は現在は懲罰を受けていない」と伝えた。開幕戦後のクラブハウスで「私はギャンブル依存症だ」とチームメートに告白したという水原通訳。名前は球団公式サイトから消え、大谷はインスタグラムのフォローを外した。結婚から開幕戦勝利と沸いた新天地1年目。思わぬスキャンダルに遭遇した。(後藤 茂樹)

 ◇水原 一平(みずはら・いっぺい)1984年(昭59)12月31日生まれ、北海道苫小牧市出身の39歳。91年に米ロサンゼルスに移住。現地の高校、大学を卒業後、岡島秀樹の通訳を経て13~17年に日本ハムで通訳を務めた。大谷のエンゼルス入団に伴い日本ハムを退団し、専属通訳としてエ軍に所属。今季からドジャースに移籍した。23年3月のWBCでは日本代表の通訳を務め、ヌートバー(カージナルス)の招聘(しょうへい)にも尽力。

 ▽スポーツベッティング スポーツの試合結果やプレー内容などを予想した賭け。海外は合法化が進んでいる。米国では18年にスポーツ賭博を禁じていた連邦法が無効となり、合法とする州が増えた。日本では公営ギャンブルやスポーツ振興くじが特別法で認められているが、賭博は刑法で禁じられている。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月22日のニュース