高卒3年目の広島・田村「秋山さんや野間さんら、レギュラー陣を抜かないと」

[ 2024年2月5日 05:50 ]

ロングティーに取り組む広島・田村(撮影・平嶋 理子)
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 広島・田村俊介外野手(20)が宮崎・日南キャンプ第1クール最終日の4日、ロングティー打撃でパワーアップを印象づけた。新井貴浩監督(47)らが見守る中、推定130メートル弾も飛び出すなどアピールに成功。国内フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスに移籍した西川の穴を埋める「ポスト西川」として期待される若ゴイは外野のレギュラー奪取へ強い覚悟を示した。

 田村はレギュラー奪取へ改めて強い覚悟を示し、高卒3年目での飛躍を思い描いた。

 「外野1枠が空いているといわれていますけど、そこだけじゃなくて、個人的には秋山さんや野間さんら、レギュラー陣を抜かないといけないと思っている。自分がレギュラー的な存在に立てるように、頑張りたい」

 その思いがあるからこそ、今キャンプでの練習にも熱が入る。この日は初のランチ特打で森浦、益田と対戦。試運転段階とあって柵越えは生まれなかった。「(久々の生きた球で)球の速さが、ちょっとだけ速く見えた」。そう振り返ったが心配は無用だ。その後のロングティー打撃では、195スイングで11本の柵越えをマーク。スコアボードを直撃する推定130メートル弾が飛び出すなど、確実にパワーアップした姿を見せつけた。

 1月には鹿児島県内で松山らと2年連続で合同自主トレを敢行。チーム最年長のベテランからは脱力の意識の助言を受け、試行錯誤を続けている。構えている時は力を抜き、インパクトの瞬間だけ力を入れる。そうすることで、遠心力が生まれ、飛距離増が見込めるメリットがある。今季は脱力打法で飛躍を目指す。

 「対投手になると力が入る部分がある。そこで、もう少し、力を抜ければなと、今日少しやってみて感じた部分はある。でも、最初に比べたら全然、脱力というか、力の強弱はできてきている」

 肉体改造にも余念がない。松山らとの自主トレ期間中には鹿児島特産の「黒豚や鶏刺しを、たくさん食べた」と言い、シーズン中の93キロから約4キロの増量に成功。心技体の充実で、着実に成長の階段を上っている。

 「そこ(開幕スタメン)は目標というか、自分の中ではやらないといけないと思っている」

 昨季は初めて開幕1軍で迎えたが、3度の降格を経験。9月12日のヤクルト戦(神宮)ではプロ初安打を飾り、以降は先発抜てきが続きながら同17日の中日戦(バンテリン)で左手小指を骨折して離脱。大きな可能性を秘める若ゴイが今季はレギュラー奪取で、1軍完走を果たし、真価を証明するつもりだ。 (長谷川 凡記)

 ◇田村 俊介(たむら・しゅんすけ)2003年(平15)8月25日生まれ、京都府出身の20歳。愛工大名電では1年春からベンチ入り。3年夏は投手兼一塁手で甲子園出場し、本塁打を放つも初戦敗退。高校通算32本塁打。21年ドラフト4位で広島入り。2年目の23年開幕戦に代打でプロ初出場。1軍通算10試合で打率.364。1メートル78、97キロ。左投げ左打ち。

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