侍ジャパン爆音アウェー上等!山川「レベルちゃう」メキシコ応援団を黙らせろ!声援ヘリコプター級

[ 2023年3月20日 04:00 ]

<ベネズエラ・アメリカ>ウエーブをするファン(撮影・光山 貴大)
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 「爆音マイアヒ~」なアウェーを打ち破れ。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で準決勝以降の舞台となるローンデポ・パークは、全て開閉式の屋根を閉じた状態で試合が行われることが18日(日本時間19日)、分かった。球場支配人が本紙の取材に明かした。南国のフェスティバルをコンセプトとし、密閉空間で反響効果を生み、鳴り物の持ち込みも許可。侍ジャパンが20日(同21日午前8時開始)にメキシコと戦う準決勝は、大音量との戦いにもなる。

 侍ジャパンは「音」に注意が必要だ。準決勝、決勝の舞台は開閉式ドーム球場だが、WBCでは各試合が公平になるよう天井を閉めることが判明。大音量が反響して守備時の連係の声はかき消され、アウェーの歓声が容赦なく降り注ぐ。

 球場支配人のアンソニー・ファバタ氏は「フェスティバルの雰囲気のような“最も騒がしいパーティー”を目指した。WBCらしいノイジーな空気をつくり出した」と説明。収容約3万7000人は、1次ラウンドを戦った東京ドームの4万6000人よりも少ないが、未体験の「爆音」を生む要因がある。

 <1>鳴り物OK お祭りの雰囲気づくりに、日本では各個人が使用できない鳴り物の持ち込みが許可された。ドラム、カウベル=写真、マラカス、太鼓。ラテンのノリのメキシコ大応援団が音楽を奏でて「攻撃」してくるだろう。

 <2>球場の構造 屋根は丸みがなく、地面と水平の平らな設計になっているため音が反響しやすい。グラウンドはスタンドと距離が近く観客の声が選手に届く。試合中はコンサート会場のような音楽が大音量で流れ、左中間のバーの音楽も届く。ファバタ支配人は「ノイズレベルは一部の選手が経験したことがないほどのもの。慣れている方にアドバンテージがある」とスタメン全員がメジャー選手の相手に有利に働く可能性を示した。

 <3>完全アウェー 敵国の公用語であるスペイン語は、中南米に近いマイアミの共通語。多くのファンが、メキシコ側の応援に回る可能性が高い。地理的にもメキシコは飛行機で約3時間の距離にあり、多くのファンの来場が予想される。同支配人が「ファンはたまに耳をふさがなければならないほど騒がしいことがある」と言うほどの歓声は脅威だ。

 村上はメキシコがプエルトリコを破った準々決勝を球場で生観戦。「音もバンバン鳴っていますし、ファンと選手が凄く一体となるいい球場。独特の雰囲気」と肌で体感した。この日、米国の準々決勝を観戦した山川はインスタグラムに「待って、レベルちゃう。応援のね」と驚きを投稿した。ラテンのフェスティバルとも戦う準決勝。3大会ぶり決勝進出を決め、逆に、日本国内を「お祭り騒ぎ」にしてみせる。(神田 佑)

 ≪本紙記者が計測 110.2デシベル≫米国とベネズエラとの準々決勝の試合中、客席にいると隣の人に話しかけられても全く聞こえなかった。特にベネズエラの攻撃中は、応援団が金属製のマラカス、ベルを大音量で鳴らして大騒ぎ。終盤は「ベネズエラ」と「USA」のコール合戦となり、スタンドは異様な熱気に包まれた。

 音量計測アプリ「デシベルX」で測定すると、ベネズエラが逆転した5回裏にこの日最大110.2デシベルを計測。「ヘリコプターの近く」に例えられるほどの大音量にあたり、19日の選抜甲子園アルプス席で同じアプリにて計測された最大107.2デシベルを上回った。

 英語と同じくらいスペイン語が飛び交うラテンの雰囲気あふれるマイアミ。きっとメキシコも大応援団がやってくる。西海岸で戦った過去のどの米国ラウンドとも違う、完全アウェーな空気が漂う予感がする。(MLB担当・柳原 直之)

 ▽ローンデポ・パーク マーリンズ本拠地の開閉式ドーム球場。96年アトランタ五輪でサッカー日本代表がブラジルを1―0で撃破した“マイアミの奇跡”が生まれた球技場マイアミ・オレンジボウルの跡地に建設され、12年開場。左翼103.6メートル、中堅121.9メートル、右翼102.1メートル。かつては左中間のオブジェやネット裏の熱帯魚の水槽が有名だったが撤去され、ビジターブルペン横の騒音で有名なクラブは静かなレストランに様変わり。20年から人工芝となった。16、20年にフェンスを手前に出して低くしたが、今でも本塁打の出づらい球場として知られる。

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