作新学院 春夏通算40勝!「巨人の星」から命名、上野飛馬3打点

[ 2023年3月20日 05:20 ]

第95回選抜高校野球大会第2日・2回戦   作新学院8-6大分商 ( 2023年3月19日    甲子園 )

<作新学院・大分商>7回、右適時打を放った作新学院・上野(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 1回戦1試合と2回戦2試合が行われ、作新学院(栃木)が、大分商を8―6で下した。「7番・二塁」で公式戦初出場した上野飛馬(ひゅうま)内野手(3年)が、先制打を含む2安打3打点。漫画「巨人の星」主人公の星飛雄馬から名付けられた球児が、同校の春夏通算甲子園40勝目に貢献した。

 俺は今、猛烈に感動している!甲子園で立った公式戦初打席。2回1死二、三塁から上野が、初球の外角直球を逆方向の左前へ先制2点打を運んだ。「やるしかないと思い振り切った」。4点攻撃を導く決勝打に声が弾んだ。

 背番号は15。大会直前の登録変更でベンチ入りした。「7番・二塁」で初打席初安打に続き、7回にも右前適時打し2安打3打点。1万8000人の観衆の前で、勝負強さを披露した。

 名前は「飛馬(ひゅうま)」。同校野球部OBの父・辰也さん(37)が「高校野球を経験して立派に成長してほしい」と願いを込め、漫画「巨人の星」の主人公・星飛雄馬から取り命名した。その父に憧れ作新学院に進学。実家は真岡市で通学に1時間以上かかっていたが「最後の一年、悔いなく野球に打ち込め」と家族の後押しで、昨夏から同校まで徒歩約5分のアパートで生活を始めた。

 練習後は母・亜由美さん(37)が作りに来てくれる夕食を食べ、学校へ戻り午後11時ごろまで自主練を続ける“ど根性”。「家族の支えがあったからこそ、ここまでやれた。ベンチ入りもできて少しは恩返しできたかな」と感謝した。高3だった03年夏、栃木大会決勝で小山に敗れた父はスタンドで「自分のかなえられなかった夢をかなえてくれて感謝しかない」と涙した。

 79年春に1―5で敗れた相手と44年ぶりの対戦で雪辱。6年ぶりの選抜勝利は、17選手を投入した小針祟宏監督にとって甲子園通算20勝目で「全員がチームの代表。全員が出る準備をしてくれていた」とナインを称えた。

 1メートル70と小柄ながら大きな仕事を果たした上野。「チームに貢献できたことがうれしい。甲子園とは相性がいいです。自信も付きました」。思いこんだら、どんとゆけ、飛馬。(村井 樹)

 ◇上野 飛馬(うえの・ひゅうま)2005年(平17)8月27日生まれ、栃木県出身の17歳。長沼小2年時に野球を始め、長沼中時代は上三川ボーイズでプレー。父・辰也さんもプレーした作新学院に進み、今回の選抜で公式戦初のベンチ入りを果たした。50メートル走6秒4、遠投90メートル。1メートル70、68キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

2023年3月20日のニュース