福島敦彦氏 東邦、7回の1点に見る強さ 狙った変化球をきっちり チームが活気づいた

[ 2023年3月20日 05:20 ]

第95回選抜高校野球大会第2日・1回戦   東邦6-3鳥取城北 ( 2023年3月19日    甲子園 )

7回先頭で安打を放った東邦の代打・伊藤 (撮影・須田 麻祐子)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】試合には流れがあり、得点が入った直後の攻防が一つのポイントになる。両校合わせ5度のうち、スコアボードに「0」以外が入ったのは1度だけ。1点差に迫られた直後の7回、東邦が奪った1点は大きな価値があった。

 先頭の代打・伊藤君がフォークボールを右前打。代打で初球、しかも真っすぐではなく変化球を打った。鳥取城北・新庄投手が変化球でカウントを稼ぐことは研究済みで対策も講じてきたはず。この日の試合においても情報共有しベンチから見ていただろうが、打席に入っていきなり対応することは想像以上に難しい。後から出てくる選手が積極的な打撃で結果を出せばチームも活気づく。次打者の中村君も1球で犠打を決め2死三塁から真辺君が適時打。内容的にも良い攻撃だった。

 鳥取城北の新庄君は4回に3点を失った後、140キロを超える直球を多く投げ始めた。配球などもあるだろうが、投球の基本は真っすぐ。東邦の各打者も最後まで捉えきれていなかっただけに、もったいない気がした。 (報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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