上林が救った!ソフトバンクのOP最下位危機 開幕スタメンへの意欲に「それ聞きたいですか?」

[ 2023年3月20日 05:00 ]

オープン戦   ソフトバンク4-2DeNA ( 2023年3月19日    ペイペイD )

8回、2点適時打を放った上林はベンチに向かってポーズ(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの上林誠知外野手(27)が19日、DeNA戦で8回に決勝の2点右前打を放った。敗れればオープン戦とはいえ12球団最下位に転落する危機だったチームを救う一打となった。上林はオープン戦13試合に出場し、打率・333、2本塁打、5打点と打撃好調。主砲・柳田、新加入の近藤、侍ジャパンメンバーの牧原大らライバルが多い外野争いでアピールを続けている。

 初球をファウル、2球目は空振りで追い込まれると、ヘルメットをポンと叩いて気合を入れた。2―2と同点に追い付いた8回なお2死満塁。上林はDeNA・三浦が投じた3球目のチェンジアップに食らいついて右前へ運んだ。「何とか打ちたかった。うれしかった」。クールな男が右手を軽く上げて勝ち越し2点打を喜んだ。

 借りを返した。前日18日のDeNA戦で2安打を放つも、3回の無死三塁の好機で二ゴロに凡退。藤本監督から「何とか1点を取るというバッティングをしてほしかった」と注文を付けられた。この日の8回の打席は「ストライクを投げてきたらどんどんいこうと思ってた。振ったことで最後は悪くない感じになった」。積極的に振った結果の一打で、敗れればオープン戦最下位に転落する危機だったチームも救った。

 力になったのは長谷川打撃コーチのアドバイスだ。打席に入る前に「しっかりピッチャーに入っていって。打球の行方は神様が決めること」と言葉をもらった。頭を整理して臨んでタイムリー。「長谷川さんの存在は自分にとって凄く大きい。頭がすっきりする答えをいつもくれる。さすが首位打者(13年)ですね」と感謝した。

 残るオープン戦は5試合。首脳陣は打撃の調子が下降線のリチャードの2軍調整を決めるなど、開幕準備は最終段階に入る。外野手争いは柳田、近藤、牧原大の3人が有力だが、オープン戦打率・212の三森をベンチに置いて牧原大を二塁に回し、オープン戦打率・333の上林を起用する選択肢もある。

 右アキレス腱断裂から復活へ。上林は「本番でもああいう場面で打てたらいい」とイメージを描いていた。それは3月31日なのか――。開幕スタメンへの意欲について「それ聞きたいですか?」と笑みを浮かべてかわしたが、その目には確かな自信が宿っていた。 (森 寛一)

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2023年3月20日のニュース