中畑清氏がヤクルト・村上を分析 清原のうまさと松井の凄さを兼ね備えるスラッガー

[ 2022年8月27日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト6―3DeNA ( 2022年8月26日    横浜 )

<D・ヤ>6回、村上が46号3ランを放つ(撮影・篠原岳夫)
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 中畑清氏(68=スポニチ本紙評論家)が史上最年少(22歳6カ月)で通算150本塁打を達成したヤクルト・村上の打撃を分析。西武などで活躍した前最年少記録保持者・清原和博のような広角に打ち分ける技術と、02年に日本人では最後となる50本塁打を記録した元巨人の松井秀喜のような凄みを兼ね備えるスラッガーと位置付けた。

 カウント間違いが空気を変えたね。6回無死一、二塁。まだフルカウントなのに四球と勘違いして一塁へ歩きかけた村上。次打者の青木が大笑いしてるのを見て、思わず笑みを漏らした。これで平常心に戻ったんじゃないかな。続く7球目の甘く入ったスプリット。今度は完璧に捉えて先制3ランだ。

 本拠地17連勝中で4ゲーム差に迫るDeNAとの3連戦初戦。重圧を感じていたんだと思う。初回1死一、三塁。絶好の先制機でカウント1―0からの甘い真っすぐを見逃し、最後は1―2からのツーシームを投ゴロ。4回先頭の第2打席は内角低めに落ちるスプリットで三振。6回のこの打席も1―1からのスプリット、続く真っすぐ、ともに甘い球を打ち損じてファウルにしていた。

 勘違いで緊張感から解放されると、いつもの村上。7回にも右翼最上段に叩き込んだ。2死無走者。2―0から真っすぐを打たれるDeNAバッテリーもどうかと思うが、とにかく凄い。

 上半身と下半身のバランスが抜群。どの投手に対しても、その投手の一番速い球を打ち返せるだけのスイングができる。ヘッドスピードが速く、少々崩されても遠くへ飛ばせる。闘争心もある。素晴らしい打者が出てきてくれたことをプロ野球OBとして感謝しているよ。

 史上最年少の通算150号到達。清原はプロ1年目から広角に打てて、凄さよりうまさを感じた。松井に凄みを感じたのはメジャー挑戦の前年、50本打ったシーズンから。その2人のうまさと凄さをすでに兼ね備えているのが村上なんだ。王さんの868本塁打を意識させてくれる真のホームランバッター。できればずっと日本のプロ野球でチャレンジしてほしいけどなあ。

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