オリ・水本監督代行“残念”な黒星 史上初NPB1軍未出場選手が代行指揮での勝利、快挙逃す

[ 2022年8月27日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス2-3西武 ( 2022年8月26日    京セラD )

<オ・西>8回2死一、三塁、吉田正が二ゴロに倒れ、厳しい表情の水本監督代行(右から3人目)(撮影・平嶋 理子)
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 オリックスの今季12度目の延長戦は10回に4番手の近藤が犠飛を許して2―3で惜敗。2位・西武とのゲーム差は2・5に開き、3年ぶりのカード負け越し、首位のソフトバンクが勝ったため自力優勝も三たび消滅した。

 中嶋監督が新型コロナウイルス陽性判定を受けたことで、水本ヘッドコーチが監督代行を務めた。初回からエンドランを仕かけるなど積極采配を見せたが、1盗塁を成功させたものの3度の二盗失敗(エンドラン含む)が響いた。「焦りでもガムシャラでもなくて、動くのは根拠があってやっているんで」。結果につながらなかったが、「中嶋監督とは、いつも通りの野球をしようと話しました。勝負の世界は勝つことが一番なので、失敗したことは反省します」と前を向いた。

 89年にドラフト外で広島に入団した水本ヘッドは2年間で現役引退。16年から5年間、広島の2軍監督を務めた経験はあるが、NPB球団に在籍して1軍未出場の選手が監督代行として指揮を執るのはプロ野球初だった。

 エース・山本が7回に同点ソロを被弾したこともまさかなら、主砲の杉本がこの日、出場選手登録を抹消したことも想定外だった。かねて左太腿に違和感があり、この日、大阪市内の病院で受診し「左ハムストリングス(太腿裏)の筋損傷」と診断された。25日に「特例2022」で昇格したばかりで、翌日に再び抹消。連覇へ最大の試練を迎えた。

 《異例の指揮》オリックスの監督代行を務めた水本ヘッドコーチは現役時代の90、91年に所属した広島で1軍戦の出場経験なし。外国人指導者を除いて、1軍戦出場経験のない人物が1軍を指揮したのは、プロ経験のない藤本定義監督が68年に阪神を率いて以来54年ぶりになる。過去、プロ経験のない監督ではほかに54年に中日を日本一に導いた天知俊一監督や、61、62、65年の3シーズン国鉄、サンケイ(現ヤクルト)を指揮した砂押邦信監督らがいるが、水本コーチのように現役選手を経たケースは異例だ。

 《ホームの利生かせず》オリックスは延長戦を落とし、25日に復活していた自力優勝の可能性が消滅した。今季の延長戦は5勝7敗だが、本拠地の京セラドームでは5月8日の楽天戦から6連敗とホームの利を生かせていない。

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2022年8月27日のニュース