柔道女子70キロ級・新添、涙の初V “大器”開花!「自分が思っていたよりうれしかったみたい」

[ 2023年5月13日 04:22 ]

柔道 世界選手権第5日 ( 2023年5月11日    カタール・ドーハ )

世界選手権の女子70キロ級で初優勝を飾った新添(AP)
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 女子70キロ級で昨年3位の新添左季(26=自衛隊)が初優勝を飾った。日本勢の同級制覇は18年の新井千鶴以来、4大会5年ぶり。準々決勝、準決勝と元女王を連破するなど好内容で5試合を制し、来年のパリ五輪代表入りへ大きく前進した。男子90キロ級では2年ぶりに出場した村尾三四郎(22=JESグループ)が銅メダルを獲得。パリ五輪代表入りへアピールした。

 控えめな性格ゆえ、優勝の瞬間も表情を崩さず、拳も握らなかった新添が、畳を下りると袖で涙を拭った。決して若いとは言えない26歳での世界一。「自分が思っていたよりうれしかったみたい。今度から泣かないようにする」と晴れやかな笑みを浮かべた。

 身長1メートル71と長身で手足も長く、内股を得意とする本格派。16年の講道館杯で初優勝を果たすと、就任直後の女子日本代表の増地克之監督からも期待をかけられた。だが「悪い方の予想は得意」というネガティブ思考ゆえ、才能はなかなか開花せず。「東京五輪は代表争いをしたとは思っていない。自分はずっともがいていた」と自嘲するほどだ。

 飛躍のきっかけは昨年10月の世界選手権。東京五輪金メダルの新井千鶴が引退し、手薄となった選手層の強化を図るため、選考会で初戦敗退しながら代表に選ばれた。波紋を呼んだ代表入りは新添本人も自覚。銅メダルを獲得すると、今大会は準決勝で2連覇中のマティッチ(クロアチア)を小外掛けで破るなど、試合運びや組み手で成長を印象づけた。

 「70キロ級は不安視されていたと思うが、これで安心してもらえたかな」と新添。期待に応えた教え子を、増地監督も「17年から新井と競わせてきたので、感慨深いものがあった。(パリ五輪に)前進した」と高く評価した。

 ◇新添 左季(にいぞえ・さき)1996年(平8)7月4日生まれ、奈良県出身の26歳。6歳で柔道を始め、天理高、山梨学院大を経て自衛隊。大学2年だった16年の講道館杯で初優勝し、同年のグランドスラム東京大会も制して頭角を現す。世界選手権では17、21、22年と混合団体代表として金メダル獲得に貢献。1メートル71。左組み。得意技は内股。

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