バド協会の根深い密室体質 誠意が感じられない 会長の「申し訳ない」

[ 2022年10月22日 04:19 ]

日本バドミントン協会横領隠ぺい問題

会見をする日本バトミントン協会・関根会長(撮影・西尾 大助)
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 協会が処分を決定した9月の臨時理事会には対象の幹部も出席した。隠蔽を主導した当該者が、自らの処分を下す異例の展開。第三者委員会の報告書で「社会常識に欠けた言動、責任感の希薄さ、世間の感覚とのずれ」を指摘され、「根深い隠蔽体質」と断定された面々が、だ。

 関根会長は臨時理事会で辞任を求める意見はなかったと説明した。会長が意見を集約し、出した結論は「みんなで頑張っていこう」だった。

 協会の密室体質は根深い。銅メダル1つにとどまった昨夏の東京五輪後、協会は選手強化本部と代表コーチ陣で戦いぶりを検証した。関係者によると、その検証会は最も耳を傾けるべき選手たちには伝えられなかった。選手の意見や反省点が反映されることはない。「密室の反省会に何の意味があるのか」と憤った関係者もいた。

 協会の理事は50代でも若いとされ、外部や女性もわずか数人。このまま体制を変えずにあしき体質を改善できるか疑問だ。

 来春から1年にわたる24年パリ五輪選考レースが始まる。協会の大失策で強化費が減り、選手に影響が及ぶのは必至。「選手につらい思い、不安な思いをさせて非常に申し訳ない」。関根会長の言葉には誠意が感じられない。(バドミントン担当・大和 弘明)

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2022年10月22日のニュース