小平奈緒 引退レースで優勝「鳥肌を超えて、心が震えて飛び出てきそうな感じでした」

[ 2022年10月22日 13:51 ]

スピードスケート全日本距離別選手権第2日 ( 2022年10月22日    長野市エムウェーブ )

<スピードスケート全日本距離別選手権第2日>現役最後のレースを優勝で締めメダルを手に笑顔を見せる小平(撮影・会津 智海)
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 18年平昌五輪金メダリストの小平奈緒(36=相沢病院)が現役ラストレースとなる女子500メートルに出場し、37秒49で8年連続13回目の優勝を果たした。12組中11組のアウトスタートで登場。自身が17年にマークした大会記録37秒25には届かなかったが、最終組で滑り2位となったこの種目の北京五輪銀メダリストの高木美帆(28=日体大職)を0秒69差で抑えた。収容6400人の会場は、98年長野五輪以来24年ぶりに満員に。小平はレース後に取材に応じ、心境を語った。

 ――レースを振り返って。

 「過去の自分には届かなかったんですが、夢見てきた(満員の)お客さんの中で滑ることができたのは五輪でメダルをとることよりも世界記録に挑戦したことよりも価値のあるものだと思いました。ワクワクしてて大好きなスケートを滑る。そのありのままをすべて表現できたんじゃないかと思います」

 ――満員の観衆の後押しを受けた。

 「(長野五輪をテレビで見た)画面越しでは伝わってこなかった人のぬくもりを感じ取れました。人生で初めて鳥肌が立ったのが長野五輪だったんですけど、鳥肌を超えて、心が震えて飛び出てきそうな感じでした」

 ――最後のレースで優勝した。

 「とにかく氷にはじかれないように、足が氷にくっついているんじゃないかぐらいの感じで、ピタッと寄り添うような感じでスケーティングした。最後のカーブを抜けたらもう転ぶ心配はなかったので、あとは歯を食いしばって、できる力を全て出し切ってゴールしようと思って滑りました」

 ――今の率直な気持ちを教えて下さい。

 「ほっとしたというか、無事にゴールを切れたというのがまずあった。もっと涙でいっぱいになるのかなと思っていたんですけど、すごく楽しくて、楽しかったです。(レース後の涙は)嬉し涙です」

 ――スケートとは。

 「自分の人生の中でここまで成長させてくれたのがスケート。スケートをきっかけに多くの人と関わり合ってここまで続けてくることができたので、本当に感謝の二文字では収まりきならない。ありがたいなという気持ちでいっぱいです」

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