美帆 大会新で女子1500M7連覇 ナショナルチーム離れ挑む新シーズンの挑戦

[ 2022年10月22日 04:08 ]

高木美帆
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 女子1500メートルは北京五輪銀メダルの高木美帆(28=日体大職)が1分53秒34の大会新で7連覇を達成した。同走で2位になった佐藤綾乃(25=ANA)に3秒21差をつけ、自身が1年前にマークした大会記録を1秒25更新。

 ゴール直後、高木の頭に浮かんだのは、昨季限りで現役引退した姉・菜那さんの言葉だった。「私が解説するからガッツポーズしてね」。要望通り、派手に両拳を突き上げた。1年前に自身がマークした大会記録を1秒25更新。設定通り通過した700メートル、1100メートルのラップタイムを収穫に挙げ「ガッツポーズは姉の影響。姉の解説は聞きたくない気持ちもあるけど、後でじっくり聞いて選手側の意見をフィードバックしたい」と笑った。

 今季から所属の枠を超えて活動するナショナルチーム(NT)を離れ、昨季までNTコーチを務めたオランダ人のヨハン・デビット・コーチと新チームを結成。現在、選手は高木しかおらず、数回のNTとの合同練習を除き、基本的に1人で練習を続けてきた。環境の整うNTとは違い、体のケアなども自身で行う日々。「NTの偉大さを感じる」一方で「思考する機会が多いのは純粋に面白い」とやりがいも感じている。

 昨季まではNTの女子団体追い抜きメンバー4人で練習から競い合っただけに「ぽっかり穴があいた感じ」と一時はモチベーション維持に苦しんだ。心が折れそうな時に効果的にサポートしたのがデビット・コーチだ。自転車でのロードトレーニングでは高木をピタリと追走して鼓舞。NT所属選手のトライアルでのタイムを入手して高木に伝え、やる気をかき立てた。

 今大会は4種目に出場。きょう22日に500、3000メートル、あす23日には1000メートルを残しており「この1回のレースで評価するのは難しい。連戦でどうなるか。一つ一つ気を引き締めていきたい」と前を向いた。2月の北京五輪で金1、銀3のメダルを獲得したオールラウンダーは今季も強い。(木本 新也)

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