コロナで大揺れ“大混戦場所”千秋楽を二所ノ関親方が占う 一番集中できた力士が優勝近づく

[ 2022年7月24日 05:25 ]

大相撲名古屋場所14日目 ( 2022年7月23日    ドルフィンズアリーナ )

<大相撲名古屋場所14日目>照ノ富士(手前)は正代に引き落としで敗れる(撮影・奥 調)
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 新型コロナによる大量休場で大揺れとなった場所を象徴するように、優勝争いをけん引してきた2敗の横綱・照ノ富士、平幕・逸ノ城、3敗の大関・貴景勝がそろって敗れた。千秋楽の結果次第では、28年ぶりに3人による巴戦の可能性も浮上する中、スポニチ本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が3人の14日目の内容を分析し、大混戦場所の決着を占った。

 まるで負の連鎖が起きたかのように優勝を争う3人が相次いで敗れました。重圧もあったのでしょう。悪いところが全部出た相撲でした。

 立ち合いで張り差しにいった逸ノ城は余計な動きが一つ入った感じで、良さが出ませんでした。貴景勝も珍しく強引な小手投げで墓穴を掘りました。若隆景が予想に反して右差しにきたことで、立ち合いで突き放せず流れを悪くしました。照ノ富士は珍しく焦ってました。右足が流れてしまって重さが伝わらず、正代にしっかりと受け止められた。横綱でも優勝を意識するということでしょう。

 3人とも完敗だったので切り替えはしやすいと思います。千秋楽、3敗の2人が若干リードしているものの、貴景勝は開き直って思い切りいけるでしょう。逸ノ城は本割で横綱に勝っていることはプラス。素早く左上手を取ることが鍵となります。照ノ富士はがっちりと固めた、重みのある相撲を取ることが重要。膝に不安を抱えるので、決定戦に備えた戦いを考えないといけません。

 テーマは自分の相撲をいかに取り切るか。重圧を克服し一番集中できた力士が賜杯に近づきます。優勝ラインは下がりましたが、お客さんが「見に来て良かった」と思うような相撲に期待したい。寂しい場所だからこそ、声を大にして言いたいです。(元横綱・稀勢の里)

 《15日制導入後では2度目の“低レベル”》14日目に2、3、4敗力士が全員負けたことで名古屋場所の優勝ラインは12勝以下となることが確定した。今年春、夏場所はともに12勝3敗で優勝。3場所連続で12勝以下での優勝となると72年初場所(11勝4敗・栃東)、春場所(12勝3敗・長谷川)、夏場所(12勝3敗・輪島)以来で、15日制導入後では2度目の“低レベル”の争い。ちなみに、11勝での優勝となると17年秋場所の日馬富士以来4回目となる。

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2022年7月24日のニュース