二所ノ関親方が“波乱”の初場所占う 照1強を景勝、正代、御嶽が止めろ 9日初日

[ 2022年1月9日 05:30 ]

二所ノ関親方
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 大相撲初場所は9日に東京・両国国技館で初日を迎える。新横綱から2場所連続優勝を果たした照ノ富士(30=伊勢ケ浜部屋)の安定感は抜群で、1強ムードは強まるばかり。大関・貴景勝(25=常盤山部屋)、正代(30=時津風部屋)に関脇・御嶽海(29=出羽海部屋)にはさらなる「進化」「成長」が求められている。6年連続で初優勝が誕生する波乱の場所を、本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が展望する。

 昨年12月の理事会で「二所ノ関」襲名を承認されました。伝統ある名跡を名乗ることで身が引き締まる思いです。今後はより一層、弟子の育成などに励み相撲界の発展に寄与いたします。

 この1年で角界の勢力図は大きく塗り替えられました。白鵬が引退。代わりに屋台骨を背負う照ノ富士が頭3つ、4つ出ている印象です。「心・技・体」全てが抜群。大柄な体から豪快な相撲をイメージしますが、実は「うまさ」も兼ね備えています。体の寄せ方に加え相手のまわしを切る技術は現役屈指、その域にあるのは遠藤ぐらいでしょうか。相手ももろ差しを狙って中に入ろうとしても、その対処も心得ている。最近は自分から誘い込むような場面も見受けられ、緻密な取り口が目立ちます。相手にしてみれば攻略の糸口が見つからない難関。気になるのは寒さで爆弾を抱える膝の状態だけ。今の横綱にはそれぐらいしか弱点が見当たりません。

 2大関と御嶽海。この3人が奮起しないと場所は盛り上がりません。貴景勝は横綱との差が開きつつあることを感じているはず。悔しさを胸に稽古に励み、全てレベルアップするしかない。現状からの脱却は正代にも当てはまります。独特の立ち合いも相手に研究された感が拭えません。立ち合いで頭から当たるなど、別の引き出しを出す気概を見せてほしい。非凡な「対応力」を見せる御嶽海も気持ちひとつで大きく変わることができる。相手に合わせるだけでなく、もっと「自分から自分から」の姿勢を出す。それが大関への近道です。

 個人的には自己最高位の宇良にも注目しています。業師のイメージから一変。前への圧力も出てきたことでワンチャン、大関(昇進も)あるかなと、ひそかに期待しています。自己最高位で迎える場所。上位を脅かす存在となるはずです。(元横綱・稀勢の里)

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2022年1月9日のニュース