箱根駅伝初出場 駿河台大は新庄流!“爆走王”徳本監督「リトルボスとして面白いことを」

[ 2021年12月17日 05:30 ]

指示を与える徳本監督(撮影・久冨木 修)       
Photo By スポニチ

 大舞台を新庄流で爆走する。箱根駅伝(来年1月2、3日)に初出場する駿河台大の徳本一善監督(42)が16日、埼玉県飯能市にある同大のキャンパスで会見し、プロ野球日本ハムのビッグボスこと、新庄剛志監督(49)をお手本としたマイクパフォーマンスを披露。選手起用で“奇策”があることを示唆するなど、法大時代に「爆走王」として箱根路を盛り上げた男が、今度は指揮官として旋風を巻き起こすことを誓った。

 新庄劇場ならぬ、“徳本劇場”が箱根路で開演する。就任10年目で駿河台大を初出場に導いた42歳指揮官は、会見冒頭から「ビッグボスとまではいかないけど、“リトルボス”として、格好いいチームだということをお伝えしたい」と、“らしさ”全開であいさつ。この日のために、新庄監督の会見映像を視聴したというちゃめっ気ぶりで、会場は笑いに包まれた。

 新庄監督が現役時代から球界を盛り上げてきたように、徳本監督もエンターテインメント性を披露してきた。法大時代は茶髪にサングラスといった格好で走り、異色の「ビジュアル系ランナー」と話題に。ビッグマウスと言われ賛否両論を呼んだ言動の裏には“面白いことをやろう”との思いが常にあり、箱根駅伝を沸かせてきた。その気持ちは、指揮官となった今でも変わらず「新庄さんみたいに何か面白いことをしたい。陸上界にファンを取り込んでいきたい」と仕掛ける気満々だ。

 レースプランでも徳本采配をさく裂させる。エントリー選手には31歳の今井隆生(4年)と、今井の元教え子である永井竜二(3年)がおり、“師弟リレー”の可能性を「もちろんある」と注目される話題を提供。一方でエースのケニア人留学生ブヌカ(4年)の1区起用については「ギリギリまで考える」と明言を避け“勝負師”の一面ものぞかせた。格上の伝統校を揺さぶるため、さまざまな奇策を温めているという。

 目標を問われると、「(選手に)楽しんでもらえればいい。守るのではなく、攻めた先に順位がある。あえて(目標は)言わない」と、ビッグボスの「優勝なんかは一切目指しません!」宣言をまねた指揮官。プロ野球界で新庄旋風が巻き起こっているように、史上44校目の初出場校が台風の目となる。

 《粘りの予選会8位》駿河台大は10月の予選会を10時間44分47秒の8位で突破し、箱根駅伝初出場を決めた。個人6位のケニア人留学生、ブヌカの力走で貯金をつくり、全員が粘りの走りでタイムをまとめた。19年は12位、昨年は15位で本戦切符を逃しており、徳本監督の就任10年目で悲願達成。本戦で具体的な目標を明言することは避けたが、シード権獲得を見据える。主将の阪本(4年)は「全員が攻めの気持ちを持って、大手町の最終10区までたすきをつなぎきりたい」と意気込んだ。

 ◇徳本 一善(とくもと・かずよし)1979年(昭54)6月22日生まれ、広島県出身の42歳。法大時代は99年から4年連続で箱根駅伝に出場。1年時は1区で区間10位、2年は1区で区間賞、3年は2区で区間2位、4年は2区で右足肉離れのため途中棄権。02年からは日清食品グループ陸上部でプロ契約選手。07年4月からは順大大学院に入学し競技を続けながら09年3月に修了。11年に駿河台大のコーチ、12年から監督に就任。

 ▽駿河台大 1918年(大7)に開設された東京高等受験講習会が前身で、駿河台学園を母体に1987年(昭62)に駿河台大として設立。埼玉県飯能市にキャンパスを構え、法学部、経済経営学部など5学部を持つ。駿台グループとして駿台予備学校などがある。主なOBにお笑い芸人のアキラ100%。

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月17日のニュース