南秀樹のスコアアップ術⑦ パッティングの基本

[ 2021年12月17日 12:00 ]

南秀樹のスコアアップ術⑦
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 第7回のテーマはパッティングの基本です。南秀樹コーチはパッティングで大切なのは、いかに自分が狙った方向にボールを打ち出せるかどうかだと指摘します。パッティングがなかなか上達しないアマチュアは、出球が安定しないのに、カップを狙っている練習にあると言います。まず、練習時間はそのために費やすべきだとアドバイスします。早速、出球を安定させる方法を聞いてみましょう。

 スコアアップを狙うなら、2メートル以下のショートパットのカップイン率を高めるべきです。そのためには、いかに狙ったところへボールを打ち出せるかがテーマになります。

 一般的に、パッティングには決まったスタイルがないと言われますが、基本はあります。最初から自己流でストロークするよりも、最初に基本を身につけてから自分の色を出していくことをお勧めします。

 まずグリップですが、ショット以上に両手の一体感を出したいので、少し変えます。ポイントは左手の人差し指です。ショットでは右手の下に隠れていましたが、パッティングでは外に出しましょう。右手中指の上に乗せる感じです。

 アドレスではボールをスタンスの真ん中ではなく、左目の真下にセットしましょう。ストロークの最下点よりもボール1個分ぐらい左で捉えるので、ボールをパターヘッドで押しやすくなります。

 アドレスで両肘が横を向く構えだと、背中が丸まった姿勢になるので、脇を軽く閉じて構えるように心がけましょう。姿勢が悪いと手打ちになり、ボールを正確に捉えることができません。

 特にお尻の位置には要注意です。かかと寄りに体重が乗ると、お尻が下がった構えになり、バランスが悪くなります。両足の母指球に重心が来るようにすると、背筋が伸びてお尻の位置も高くなります。構えたときの安定感が増すので、スムーズにストロークできます。

 最近はツアーでも左手が右手よりも地面に近いクロスハンドグリップを多く見かけます。これは右手の余計な動きを防ぐには有効です。テークバックでは左手リードでクラブを上げますが、どうしても右手リードで上げてしまう人は、クロスハンドを試してみるといいでしょう。順手と両方試してみて、タッチを出しやすい方を選択しましょう。

 次に、出球を狙った方向へそろえるためのドリルですが、練習グリーンではボールから1メートル先にティーを刺します。そのティーにボールをどんどんぶつけていきます。当たるようになったら、1・5メートル先にティーを刺します。カップだと目標が大き過ぎるため、多少方向がずれても気がつきにくいのでお勧めしません。自宅で行うときは、カーペットやパターマットの上に1円玉を置き、その上をボールが通過するように打ちます。

 ボールがティーに当たらない人は、頭を残し過ぎているかもしれません。この意識が強いと、インパクトで頭が目標と反対側に動き、体の軸が傾きます。正確にボールを捉えられないので、鏡などを利用して頭の位置、軸の傾きをチェックします。

 出球が安定すると、ラインにも乗りやすいので、ショートパットだけでなく、ロングパットもカップに近づくようになります。地味な練習ですが、これをマスターするかしないかで結果が大きく変わります。継続して行って下さい。

 (取材協力=兵庫・オリムピックゴルフ倶楽部) 


 ◆南 秀樹(みなみ・ひでき)1974年(昭49)2月21日生まれ、香川県出身の47歳。プロゴルファーだった父の影響で中学2年からゴルフを始め、香川西高卒業後に日本プロゴルフ協会のティーチングプロ資格を取得。鈴木愛、成田美寿々らを指導。現在は男子の塚田陽亮や今年復活優勝した岡山絵里、木村彩子らのコーチとして活躍。

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