車いすフェンシング桜井は準々決勝敗退 サウスポー転向1年でベスト8進出

[ 2021年8月26日 16:53 ]

東京パラリンピック第3日 車いすフェンシング ( 2021年8月26日    幕張メッセ )

 女子エペ個人(障害B)準々決勝 RPC選手(手前)と対戦する桜井杏理
Photo By 共同

 エペ個人戦が行われ、女子(障害B)で世界ランキング6位の桜井杏理(32=日阪製作所)は準々決勝で世界ランク1位のビクトリア・ボイコワ(RPC)に3―15と完敗して敗退した。

 桜井は今大会の日本勢で唯一、開催国枠ではなく自力で出場権を獲得。「ただ出るだけじゃなくメダル獲得を目標としてきたので正直、気持ちを整理し切れていない」と肩を落とした。2018年のアジア・パラ大会(ジャカルタ)で右肘じん帯を損傷。新型コロナウイルスの影響による大会の1年延期を受け、昨夏に剣を持つ手を左に変える大きな決断を下した。右で戦っていては持たないという理由だったが、「ある意味バクチ。かなり迷ったし、左に転向してからも右に戻した方がという迷いがあった」という。

 それでも今年7月の国際大会復帰後、1カ月間は一日300回を目安にひたすら打ち込み、迷いを振り切って大会に臨んだ。“左の桜井”が初見だった16年リオデジャネイロ大会金メダリストの周景景(中国)を初戦で破るなど、1次リーグは4勝2敗で突破。左効き相手の戦いに慣れているボイコワには「(左への転向が)アドバンテージにならなかった」と嘆いたが、「右でプレーしていたら正直、ベスト8も達成できなかったと思う。決断したことは間違っていないと自信を持って言える」と話した。車いすをつかんで体を支える右腕のダメージを考慮して27日のエペ団体は棄権する可能性もあるが、女子のエースは「気持ちを切り替えて次のフルーレ(個人=28日)で目標を達成したい」と前を向いた。

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2021年8月26日のニュース