パラ競泳・鈴木孝幸が日本勢金1号 08年北京以来の頂点に「新しい金メダルをもらえたような感覚」

[ 2021年8月26日 19:04 ]

東京パラリンピック第3日 競泳 ( 2021年8月26日    東京アクアティクスセンター )

<パラリンピック競泳 男子100メートル自由形(運動機能障がいS4)>表彰式で金メダルをかけ、歓声にこたえる鈴木(撮影・坂田 高浩)
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 男子100メートル自由形(運動機能障がいS4)決勝で、5大会連続出場の鈴木孝幸(34=ゴールドウイン)が1分21秒58のパラリンピック新記録をマークし、金メダルを獲得した。日本勢今大会初の金メダルで、自身にとっては08年北京大会の50メートル平泳ぎ以来2個目。前日の50メートル平泳ぎの銅に続き、2日連続のメダル獲得となった。鈴木のメダルは通算7個となった。

 決勝では得意の飛び出しから流れに乗ってベジャト(イタリア)に続く2番手でレースを進め、残り10メートルで逆転。普段は冷静な男が左手でガッツポーズし、雄叫びをあげた。「(ガッツポーズが)自然に出ましたね。ちょっとやりすぎました、反省」と苦笑いしつつ、「とてもうれしかったです。凄く単純な言葉になってしまうんですけど。タイムにも1位にも満足しています」と喜んだ。

 競泳チームの主将を務めるベテラン。16年リオ大会ではメダルを逃し、一度は引退も考えた。だが13年から拠点とする英国の滞在期間が2年残っていたため、「そこまでの期間で自分がチャレンジできることはチャレンジしよう、それがタイムにつながらなければやめよう」と決意。映像分析からフィジカル面に改善の余地を見つけ、筋力トレーニングを重点的に取り組んで記録を伸ばした。「ある意味開き直って、積極的に変化を取り込んでいった。チャンスが生まれてからようやく目指してみようかなって気持ちになりました」。ベクトルは自然と東京パラに向かっていった。

 表彰式では君が代を小さく口ずさんだ。自身13年ぶりのパラリンピックの頂点は「また新しい気持ちで金メダルをもらえたような感覚で、全く別もの」だった。残る3種目にもメダルの期待が懸かる。「(28日の150メートル)個人メドレーは表彰台を目指す戦い。何としても戻れるようにという思い。(30日の200メートル)自由形でもベストを尽くしたい」と決意を新たにした。

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