スポニチ本紙五輪担当記者8人 各競技一押し選手を紹介

[ 2021年7月21日 05:30 ]

国立競技場と五輪マーク
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 【ボクシング】

 ≪並木、金へ位置取り絶妙≫日本女子ボクシング史上初の五輪代表2人はともにメダル候補だが、並木はより金の可能性が高い。最軽量のフライ級でも小柄な1メートル53ながら、那須川天心の幼なじみらしくスタイルは攻撃的。スピードとステップワークを駆使し、相手の手が届きそうで届かない絶妙なポジションに入り込んで先に打ち込む。延期を利用して、従来はこだわらなかったライバルの研究も済ませた。緊張しやすいという入江同様、初戦を突破すれば波に乗る。(中出 健太郎)

 【競泳】
 ≪本多灯19歳は伸び盛り≫競泳男子200メートルバタフライの本多灯は4月の日本選手権以降、自己ベストを連発。伸び盛りの19歳が本番でも自己記録を大幅更新してメダルを手にすると予想する。競泳男子200メートル平泳ぎの佐藤翔馬は本来の泳ぎができれば表彰台に上がる可能性が高いが、ここ数カ月は重圧もありタイムが低迷している。チャレンジャー精神を取り戻してほしいとの願いも込め、あえてメダル候補から外した。(木本 新也)

 【体操】
 ≪橋本&北園が歴史変える≫体操ニッポンにゴールドラッシュの予感が漂う。1年延期で、男子の橋本大輝と北園丈琉が急成長。団体総合連覇はもちろん、この2人が個人総合の決勝に駒を進めた場合、72年ミュンヘン大会以来、49年ぶりに日本勢のワンツーフィニッシュの可能性がある。また、種目別鉄棒に出場する内村航平も断然の金メダル候補。金5、銀4と大活躍した64年大会にどこまで迫れるか。(杉本 亮輔)

 【卓球】
 ≪基礎学んだ“異端児”美誠≫卓球は伊藤美誠の大会になりそうだ。以前は型にはまった練習が大嫌いで、好きなプレーを突き詰めてきた。自由さが変幻自在の戦術の原動力だったが、東京五輪に向けては敬遠していた基礎基本にも地道に取り組んだ。茶道や武道は師の教えを、守る→破る→離れるの順=「守破離」を経て一人前になるとされる。真逆の「離」が出発点の異端児は、型を覚えてすごみが増した。3種目で銀とした今回の予想を上回る結果は十分にある。(倉世古 洋平)

 【サーフィン】
 ≪大原熟知 釣ケ崎の波≫釣ケ崎海岸で乗った波の本数なら、大原の右に出る者はいないだろう。潮の状況、気象条件、水質、ポイントごとの海底の状況…。対人競技である一方で自然との闘いでもあるサーフィン。技術はもちろんだが、いかに良い波に乗るかも重要で、見極めは誰よりも優れているはず。プロ最高峰ツアー参戦のライバルは手ごわいが、五輪出場権を獲得した5月のワールドゲームズでは勝負強さを発揮。出産を控える新妻にメダルを持って帰る。(阿部 令)

 【バドミントン】
 ≪“二刀流”渡辺の反骨心≫個人的な注目は、バドミントンで二刀流を貫く渡辺勇大だ。遠藤大由と組む男子複、東野有紗と組む混合とも初出場。1次リーグだけでも相当な体力が削られる。2種目メダルと容易に予想できず、現実的に考えればリオ五輪を知る10歳上のベテラン遠藤と組む男子複が突破口となる可能性が高い。低い下馬評に燃える男でもあるので、あえて悲観的な目線で予想。リオで直接対決した女子単は決勝で山口が奥原にリベンジとみる。(大和 弘明)

 【スケートボード】
 ≪岡本VS四十住 女王争い≫スケートボードの日本人メダル対決に注目したい。女子パークは岡本と四十住の実力が飛び抜けており、2人で金メダルを争う展開になりそうだ。前例のない巨大なスケートパークを使いこなす対応力も鍵となる。男子ストリートは堀米が頂点に最も近いが、白井の存在も侮れない。昨春の左膝手術から復帰後は好調を維持。3位だった今年6月の世界選手権でもトップ2に引けを取らない滑りを見せていた。金の可能性も十分ある。(鳥原 有華)

 【マラソン】
 ≪鈴木×小出流に期待≫五輪で復活メダルという青写真を描いている女子マラソンの鈴木亜由子を推す。度重なる故障で不安視されたが、延期によって救われた一人だ。現在はベテランらしく本番に合わせて調子を上げていて、陸上関係者からもメダル候補に名前が挙がる。リオ五輪では故障で泣いただけに東京に期する思いも強い。シドニー五輪金メダルの高橋尚子を指導した故・小出義雄さんのスタイルを踏襲する高橋昌彦監督の手腕にも期待を込めた。(河西 崇)

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2021年7月21日のニュース