スポニチ本紙がメダル徹底予想 連日GOLDRUSH期待の金32個 銀と銅合わせ過去最高「86」

[ 2021年7月21日 05:30 ]

柔道男子60キロ級・高藤直寿
Photo By スポニチ

 コロナ下の「スポーツの祭典」で、ニッポンが金字塔を打ち立てる。東京五輪は21日、ソフトボールとサッカーで競技を開始する。スポニチ本紙が独自に行った今大会のメダル予想は、金メダルは32個、メダル総数は86個。金メダル数は過去最多の64年東京、04年アテネの16個の2倍となる。開催国のアドバンテージを生かし、新型コロナウイルスと闘う日本と世界に希望を与える。

 日本オリンピック委員会(JOC)が3年前に掲げた目標は、過去最高の金メダル30個だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、山下会長は大会前に「30個にどれだけ価値があるか分からない」と数字にこだわらない方針に変更したが、本紙は当初の目標を上回る32個を予想する。その理由は皮肉にも、“コロナ下の五輪”で開催国の利が増したことにある。

 競泳やボクシングなど、各競技の最終予選が中止になった。野球ではメダル候補の台湾やオーストラリアが、最終予選の出場を辞退。ゴルフやテニスなどは世界ランキング上位選手がコロナを懸念して出場を断念し、感染による欠場も続いている。日本のライバルとなる有力選手やチームが、出場すらしていない競技がある。

 海外勢への“逆風”は他にもある。日本各地で行う予定だった各国の事前合宿が次々と中止になって、調整過程に狂いが生じた。プレーブックに記された感染対策で厳しい制限を強いられる中、慣れない異国で生活することは、メンタル面への影響も懸念される。海外選手がベストコンディションで大会に臨むことは難しいのが現実だ。

 対する日本勢は、開催国枠で出場が確定している選手が多く、早くから五輪本番に照準を合わせることができた。国民の感染症に対する意識が高く、欧米に比べればコロナが抑えられていた日本で、有力選手はある程度順調にトレーニングを積んだ。日本を知り尽くしているからこそ、大会期間中の厳格な規制によるストレスも軽減し、酷暑にも対応することができるだろう。

 ホームアドバンテージを生かした空前のゴールドラッシュを勢いづかせるのは「最強兄妹」だ。大会3日目の25日。午前中に競泳400メートル個人メドレーの瀬戸が世界王者の実力を示し、柔道男子66キロ級の阿部一、女子52キロ級の阿部詩が兄妹同日金メダルの快挙。新種目のスケートボード・男子ストリートの堀米も最高の滑りを見せ、金メダルは4個とみている。閉会式前日の8月7日には注目競技がめじろ押しで、一日では最多となる金メダル5個を期待する。野球とサッカー男子が“侍ダブル金”を達成。ゴルフ女子の畑岡は、メジャー制覇の前に五輪タイトルを獲得。レスリング女子50キロ級の須崎、ボクシング女子フライ級の並木も世界トップクラスの実力者だ。

 銀と銅を含めたメダル総数も86個で、大会2日目の24日から8月8日の閉会式までメダルが途切れることはない。本紙の予想通りに32個の金メダルを獲得すれば、前回のリオ五輪では米国に次ぐ2位に相当する。前回の東京五輪の2倍の歓喜を、紙面を通じてお届けしたい。

 【日本勢“ビックリ”金メダル】
 ▼岩崎 恭子(1992年バルセロナ・競泳女子200メートル平泳ぎ) 予選で日本記録を2秒以上も更新し、全体2位で決勝へ。決勝では当時の世界記録保持者のノール(米国)をゴール直前で逆転し、日本史上最年少14歳で金メダル。「今まで生きてきた中で一番幸せです」。

 ▼恵本 裕子(1996年アトランタ・柔道女子61キロ級) 前年の世界選手権は初戦敗退で柔道代表の中で最も期待されていなかったが、バルセロナ五輪のメダリストら強豪選手を次々と撃破。決勝でも元世界王者バンデカバイエ(ベルギー)に内股で一本勝ちし、柔道女子日本勢初の金メダルを獲得した。

 ▼里谷 多英(1998年長野・スキー女子モーグル) 予選11位で臨んだ決勝で、自己最高得点となる25・06点。冬季五輪女子初となる金メダルを獲得した。当時、女子モーグルはNHK衛星放送で生中継されており、地上波はノーマーク。NHK総合が急きょ五輪中継を繰り上げて快挙を伝えた。

 ▼柴田 亜衣(2004年アテネ・競泳女子800メートル自由形) 大会まで無名の存在だったが、決勝では優勝候補のマナドゥ(フランス)を追い掛け、750メートルのターンで逆転。日本女子自由形で史上初の快挙に、「自分でもまさかの金メダル。ビックリしています」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月21日のニュース