渋野の21年型スイングを服部道子さん分析 低いトップで高まるミート率、ショット安定

[ 2021年3月31日 05:30 ]

渋野の21年型スイング
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 今年の女子ゴルフの海外メジャー初戦となるANAインスピレーションは1日、米カリフォルニア州のミッションヒルズCCで開幕する。19年全英女子オープンに続くメジャー2勝目を狙う渋野日向子(22=サントリー)は、さらなる進化を目指して新スイングの習得に取り組んでいるが、その21年型スイングを東京五輪日本代表の服部道子女子コーチ(52)が分析した。

 渋野選手のスイングは、クラブの軌道が以前よりもフラットになり、トップの位置も低くなっています(左から7番目)。スイングをコンパクトにすることでミート率を高め、安定したショットを打つのが、その狙いだと思われます。彼女自身、昨年は肝心な場面で左へいくミスが出ていたと言っていました。

 テークバックでは左手の甲が上を向くように動いて(同2、3、4番目)、フラットなスイングプレーンに乗せようとしています。特徴的なのは、トップの位置に来たときに、シャフトの向きが飛球線後方から見て、目標よりも左側を指すレイドオフの形になっていることです(同7番目)。以前の彼女は、トップでシャフトが飛球線方向を向いていましたが、今はレイドオフになるトップの形を早めにつくり、余分な力が入らないように切り返しの動作をシンプルにしています。それにより、より再現性の高いスイングができるように目指しています。

 もともと彼女はハンドダウンに構え、スタンスを広めに取って下半身を安定させ、シャローにボールを振り抜いていくタイプでした。しかし、米ツアー挑戦を見据えて粘りのある洋芝を克服するため、一昨年の終盤から昨年の開幕頃にかけてスイング改造に取り組みました。グリップの位置をやや高めにして、スタンスを狭め前傾姿勢を浅くし、アップライトに上から打ち込もうとしていました。

 でも、彼女本来の体の動きに、それがマッチしづらかった。上下のバランスが悪くなり、インパクトからフィニッシュにかけて、フラつくようなシーンが時折見られました。上体が強く入って、アイアンの入射角がバラバラになり、縦の距離感も合わなくなった。しかし、その後、持ち前の修正力で状態も良くなり、全米女子オープンでは優勝争いもしました。そして、さらなる進化を目指して再度、スイング改造にトライしています。

 現在のスイングは、米男子ツアーで流行している「GGスイング」のように、ダウンからインパクトにかけてクラブを内側から入れ(同8、9番目)、パワーをためてハンドファーストにヘッドをボールに当てて、飛距離を出すイメージの打ち方になっています。

 スタンスも昨年より靴1足分広めになり、膝を曲げて下半身が安定する構えになっています。インパクトからフィニッシュ(同10~14番目)にかけて、とてもバランス良く振れていて、左肩が上がることなく(同13番目)レベルに振れています。

 まだスイング改造の途中で、思うようにいかないときもあるかもしれませんが、短期間でこれだけスイングを変えているのに、スコアをまとめられる彼女のポテンシャルの高さには、本当に驚かされます。実戦を重ね徐々に自分の感覚と合ってくれば、結果にもつながってくるはずです。(東京五輪日本代表女子コーチ) 

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