また聖火消えた 一筆書き途切れた? 密状態も発生…リレー2日目はトラブル続き

[ 2021年3月26日 21:34 ]

<聖火リレー福島県2日目> 聖火皿に聖火を移す大林素子 (撮影・光山 貴大)
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 東京五輪の聖火リレーは26日、福島県相馬市~会津若松市で2日目が行われたが、トラブルが続出した。

 まずは第2区間の飯舘村の出発式で、強風によりランタンの聖火が消えた。予備のランタンからトーチに点火して無事スタートしたが、第4走者から第5走者へのリレー後、トーチの火が消えていることが判明。ランタンに入っていた予備の種火で再点火し、リレーが続けられた。

 大会組織委員会によると、原因はトーチ末端に内蔵されているガスボンベのバルブのねじ込みが不十分だったことが考えられるという。スタッフが専用器具を使用してねじ込み作業を行うが、十分にねじこまなくてもガスが出始めるため、そのままスタートさせてしまったのではないかという。初日に聖火が消えた原因も同様と考えられるが、運営マニュアルには「最後までねじ込みを行う」と明記されているため今後は周知徹底するとした。

 また、第6区間の猪苗代町と第7区間の三島町でリレーの順番を入れ替えるアクシデントも発生した。猪苗代では第1走者がスキーで聖火を運ぶのが見どころだったが、濃霧のためにスタートが遅延。一方、第7区間では「絶景スポット」で知られる鉄橋の上を列車とランナーが同時に通過するスケジュールが組まれていたが、第6区間終了を待っていては通過のタイミングが合わなくなるため、猪苗代のリレーを一度中断して先に三島町をスタートさせる措置を行った。

 国際オリンピック委員会(IOC)の規定では、異なる場所で同時にリレーはできないため、猪苗代で第1走者が滑り終えてから一度トーチの聖火を消し、三島町で点火させてリレーを行い、再び猪苗代で点火させて第2走者をスタートさせる手続きが取られた。ただし、聖火リレーは「一筆書きでつなぐのが原則」ともされており、メディアからは一筆書きが途切れたのでは?との指摘もあった。しかし、組織委の高谷正哲スポークスパーソン(SP)は「リレーの趣旨そのものが阻害されたという認識は一切ない。柔軟に対応できた好事例」と強調。「現代の聖火リレーは64年の時と異なり、全行程をトーチでつなぐものではない。多くの人に見てもらうために、区間区間を飛び火しながら人口の集まる市町村を回る運営方式」と弁明した。

 また、第5区間の福島市では県庁前と市役所前に観覧客が集まり、走行取りやめの判断にもつながる密集状態ができていたのでは?との指摘もあった。しかし、高谷SPは「県庁前は人が集まり始めたため、スタッフが事前に呼びかけた。現場では(人と人の)肩が触れ合うようなことはなく、前後も一定の距離を保てていた。密状態ではなかったという認識」と話し、見解を変えることはなかった。

 聖火が到着した会津若松市では、この日のアンカーを務めた元バレーボールの大林素子さんの水素燃料トーチに火が着きにくく、予備の水素トーチに点火する場面もみられた。

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