照ノ富士9勝目 大関“史上最大のカムバック”確実!魁傑の「7」大幅に上回る所要20場所

[ 2021年3月26日 05:30 ]

大相撲春場所12日目 ( 2021年3月25日    両国国技館 )

玉鷲(下)を突き落としで破る照ノ富士(撮影・郡司 修)
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 大関獲りの照ノ富士が玉鷲を突き落とし、9勝目を挙げた。三役3場所で計33勝の昇進目安に達し、ちょうど2年前に復帰した序二段から史上最大のカムバックへ前進した。優勝争いは2敗の高安を朝乃山、照ノ富士の3敗勢が追う。また、前日、引退を表明した元横綱・鶴竜親方がオンライン会見に臨んだ。

 取組後、三役3場所で計33勝とした照ノ富士は「夢に一歩近づいたかな」と語った。

 当たって押し込んだ玉鷲戦。いなされて泳いでも命綱のような左下手を離さない。喉輪にのけ反った土俵際、左から相手の肘ごと突き落とす、気迫を体現する逆転だった。

 「33勝にいかない限り、復帰はない。そこを目指して頑張ってきましたから」。番付編成を担い、師匠でもある伊勢ケ浜審判長(元横綱・旭富士)は「全部終わってから」。昇進を明言こそしなかったが、「夢」へ前進したのは間違いない。

 間垣部屋の閉鎖に伴う移籍を共にし、幕下陥落まで付け人だった元幕下・駿馬の中板秀二さん(39)は2年前を思い出す。4場所連続の全休を経た春場所、序二段からの出場を決めた。両膝のケガや糖尿病、C型肝炎が癒え、トレーニングを再開。「引退」の2文字を口にしなくなり、前向きな発言が増えたという。

 元々、シャンパン20本を空ける酒豪。「全く飲まなくなった。奥さんもいたので“節制しないと”と思ったのでしょう」と中板さん。今年2月に挙式した、ドルジハンド夫人とは復帰の1年前に結婚。復活を精神面、食事面でも支えていた。

 現行のカド番制度となった1969年名古屋場所以降、最長ブランクでの大関復帰は所要7場所の魁傑。今回、所要20場所となれば史上最大。大関に復帰した延べ8人中、優勝で花を添えた力士はいない。13日目からの大関3連戦、「気を引き締めてやっていきたい」。まずは史上最大にメドを立てて、次は史上初を狙う。

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