日本一曲がらない男 稲森佑貴 ドライバーレッスン【最終回 ティーグラウンドの活用法】

[ 2021年3月26日 12:00 ]

日本一曲がらない男・稲森佑貴ドライバーレッスン<最終回ティーグラウンドの 活用法>
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 最終回のテーマは、ティーグラウンドの活用法についてです。稲森佑貴プロによれば、スイングを変えなくてもティーアップの位置を工夫するだけで、フェアウエーキープ率は大きく変わると言います。まずは自分にとって最もしっくりくる場所を探す習慣を身につけましょう。進行役は萩原菜乃花さんが務めます。

 萩原 フェアウエーが広く感じるホールですが、稲森プロはどのように攻めますか?

 稲森 ティーグラウンドからの見た目だと、右サイドが危険で左サイドが広く感じます。右サイドを視界から消すために、ティーグラウンドの右端に立ってフェアウエー右サイドから左に軽く曲がるドローボールで攻めたいですね。

 萩原 私の認識だとティーグラウンドの右端に立つのはフェードボールを打つときでしたが?

 稲森 それも正解です。フェアウエーの左サイドを狙ってフェードボールを打つときもティーグラウンドの右端にティーアップします。

 萩原 なぜドローボールを打つときもティーグラウンドの左端に立ち、フェアウエーの右サイドを対角線で狙わないのでしょうか?

 稲森 僕の中で完全にアウトな攻め方だからです。ボールがつかまり過ぎて引っ掛けが出たら、いくら左サイドが広いとはいえ、2打目を狙えないところまでいくでしょう。逆に左へ曲がらずに真っ直ぐ飛んだら右ラフにいきます。やはりティーグラウンドの右端からフェアウエー右サイドを狙ったほうが、真っ直ぐ飛んでも、左へ曲がってもフェアウエーをキープできます。試しにティーグラウンドの左端と右端に立ってみましょう。左端に立って右サイドからドローボールで攻めることができますか?右の危険ゾーンが思い切り視界に入ってきますよ
ね?

 萩原 確かに!むしろ安全な左サイドが視界から消えています。

 稲森 ティーショットは自分が気になる方へ飛んでいくので、それは得策ではありません。次に右端に立ってみましょう。

 萩原 先ほどとは景色がまるで違いますね。

 稲森 今度は右サイドが視界から消えて、左サイドが広く見えませんか?その結果、インパクトで思い切りボールをつかまえることができるわけです。その意味ではフェアウエーをキープする、つまり曲げないドライバーショットを打つには景色の見え方がかなり重要になります。

 萩原 そう考えると、今までは割と適当にティーアップしていたかもしれません(笑い)。

 稲森 フェアウエーが広いホールだと、何となくフェアウエーキープできそうに感じますが、曲げてしまう人は明確に球筋と目標を決めていないからです。広いホールこそ、ティーグラウンドのどこに立ち、どういう球筋で攻めるのか明確にしておきましょう。また、ティーアップの場所を決める前に、右端から左端まで歩いて目標を見ます。必ずどこかに自分がしっくりとくるエリアがあるはずです。そこにティーアップするとスムーズに1Wを振りやすくなる分、ミスショットの確率も低くなります。

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか)1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の25歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。
 

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