NZでもジャッカルやボールキャリーで存在感 姫野和樹「力の証明したい」

[ 2021年3月26日 21:56 ]

スーパーラグビー(SR)アオテアロア第5節   ハイランダーズ19―30ハリケーンズ ( 2021年3月26日    ニュージーランド・ダニーデン )

<ハイランダーズ・ハリケーンズ>試合後、オンラインで取材に応じる姫野和樹
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 19年W杯日本代表でハイランダーズに期限付き移籍したNo・8姫野和樹(26)が、後半8分から途中出場し、新天地でデビューを果たした。試合はハイランダーズが19―30で敗れ、今季3敗目(1勝)となった。

 姫野は7―24と劣勢の中、No・8ミカエレトゥに代わって登場。見せ場は後半18分ごろに訪れた。自陣10メートル付近のディフェンスで、得意のジャッカルに成功。約30分間のプレーでボールキャリー9回、ゲインメーター51メートル、ブレーク3回など、インパクトのある数字を叩き出した。

 試合後、日本メディアのオンライン取材に応じた姫野は、「1年ぶりの公式戦で不安な点が多々あったが、自分にフォーカスした結果、自分らしいプレーができた。ただ、ここ(ニュージーランド)でいい経験を積むことだけが目的ではない。チームを勝たせるために、ハードワークしていきたい」などと第一声。ホームのフォーサイスバー・スタジアムでは、過去経験した2試合でいずれもケガをしており、「今回はケガなく終えられたのでハッピー」と笑顔を見せた。

 2月6日に日本を出国した姫野は現地到着後、2週間の隔離期間を過ごした。ニュージーランドの隔離は厳格で、屋外で運動できるのは毎朝30分のみ。小さな駐車場をぐるぐる周回し、それ以外の時間は屋内で過ごしたという。当時について「これは大丈夫かな、と思った。体的にいい準備ができるかと言えば、不安があった」と回想。一方でメンタル面の準備については「自分の立ち位置、どういうチャレンジをするのかとか、何を得たいのかとか、メンタル面の準備に関しては(整理できて)、有意義に使えたと思う」と振り返った。

 同僚はもちろんイングリッシュネーティブばかり。英語力については「上達していると思う。1カ月もいるし、英語しか話していないので。上達していなかったらショック」と話したものの、プレー中のコミュニケーションについては「苦労する点はある。そこは伸ばさないといけない」と課題に挙げた。

 一方、劣勢の試合ではハドルで仲間に声がけする場面も。「凄く流れが悪い状況だったので、ブラウニー(トニー・ブラウン・ヘッドコーチ)が僕を入れる意図をくみ取って、しっかりボールキャリー、ブレークダウンの仕事をして、流れを変えないといけないと思った。あとは試合の中でパッションを出すことが仕事。落ち込んでいる時に、エナジーをさらけ出すことでいい影響を与えられる。英語がそんなに話せなくてもできることなので、そこは意識してやっている」と、“新人”ながら自覚の高さを示した。

 デビュー戦を終え、今後は初先発や初トライにも期待が高まる。「力の証明をしたい。日本人としての力の証明、自分自身の力の証明をしたい。今後、ラグビーを日本になくてはならないものにするために、海外でもできることを証明すれば、未来につながるし、子どもたちの夢にもつながる」と大きな夢を明かした姫野のラグビー王国での闘いが幕を開けた。

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2021年3月26日のニュース