貴健斗が新十両昇進、貴乃花氏の教え胸に“突き”進む「毎日やるだけ」

[ 2021年1月28日 05:30 ]

オンラインで記者会見する貴健斗(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は27日、東京都墨田区の両国国技館で大相撲春場所(3月14日初日)の番付編成会議を開き、貴健斗(24=常盤山部屋)と、武将山(ぶしょうざん、25=藤島部屋)の新十両昇進を決めた。東京都台東区の同部屋でオンライン会見に臨んだ貴健斗は、先代親方の貴乃花光司氏(元横綱・貴乃花)の教えによる得意の突き押しを貫き、新十両場所で勝ち越すことを目標に掲げた。

 土俵に上がるよりも緊張していた。先場所5勝2敗で勝ち越し、念願の関取となった貴健斗は初めて羽織姿で会見に出席。第一声で「いつも通り平常心です。リモートが一番緊張しています」と苦笑いし、来場所へ「まず勝ち越したい。一番一番、毎日やるだけだなと思う」と意欲を見せた。

 勝ち越し、負け越しを繰り返していた約2年前。「ネガティブが絶頂」だった時期に同部屋の大関・貴景勝から「2年で決めてやらないと膝のケガもあるし、おまえもこれから分からなくなる。目標を決めてやれ」とハッパを掛けられた。これが転機になった。

 名門の鳥取城北高から旧貴乃花部屋に入門。「先代の貴乃花親方から“突いていけ”と言われた」と、先代の教えで突き押しを徹底。最近は貴景勝と一緒に筋力トレーニングにも励みパワーアップした。「精神面が未熟で、成長にだいぶ、時間がかかった。そういうところが成長して今、乗り越えてきていると思う」。ネガティブ脱却で心技体がそろい、昨年初場所から6場所連続の勝ち越しで十両昇進を決めた。

 師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)は「(立ち合いで)当たる威力をつけたらもっともっと番付が上がると思っている」と期待する。まずは、新十両での勝ち越しを目指すが、24歳は「できるだけ早く幕内に入っていきたい」と目を輝かせた。

 ≪貴乃花氏は飛躍期待≫貴健斗は元師匠の貴乃花氏が、入門時から成長を見込んでいた力士の一人。コツコツと真面目に努力するタイプで、一歩ずつ着実に階段を上がってきた。貴乃花氏は前週行われたCM出演の会見の席で「あの子を育ててきて感じることは、その地位で終わるべき子ではありませんので、今後、道が開かれると思います」とさらなる飛躍を期待していた。

 ◆貴健斗 輝虎(たかけんと・てるとら=本名・水田健斗)1996年(平8)2月10日生まれ、熊本県八代市出身の24歳。鳥取城北高から旧貴乃花部屋入門。水田のしこ名で14年初場所に初土俵。同年九州場所で幕下昇進。16年名古屋場所で貴健斗に改名。得意は突き、押し。1メートル78、160キロ。

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2021年1月28日のニュース