駒大 2年生エース田沢が導く「常勝軍団」復活、大八木監督「声掛け」リクエストも

[ 2020年12月29日 07:00 ]

箱根のキーマン(3)

箱根駅伝へ調整を続ける駒大のエース田沢(駒大提供)
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 駒大13年ぶりの総合優勝は2年生エース田沢廉の走りにかかっている。長年チームを指導する大八木弘明監督(62)に「ハートは中村匠吾(現富士通=東京五輪マラソン代表)センスは村山謙太(現旭化成=15年世界選手権代表)に似ている」と言わしめる逸材は「エースとしての走りをする。区間賞、区間新記録を出したい」と当日を待ちわびている。

 今季の田沢を見れば、4連覇を含む6度の箱根総合Vを果たし「平成の常勝軍団」と呼ばれたチームの復活を大八木監督が掲げるのもうなずける。11月の全日本大学駅伝では東海大とのアンカー勝負を強烈な末脚で振り切り、6年ぶりVのゴールテープを切るなど前哨戦で最高のパフォーマンスを発揮。田沢は「走るたびにベストが出て良い一年だった」と振り返った。

 箱根駅伝の約1カ月前に行われた日本選手権長距離の1万メートルに出場した。駅伝に備えて出場を回避する選択肢もあったが、青学大4連覇に貢献し“駅伝男”として知られる田村和希(住友電工)や前回の箱根駅伝MVPの相沢晃(旭化成)ら、実業団トップ選手との戦いを選んだ。見事に27分46秒09の自己新をマークして8位に入賞し「得たものはレースの運び方。田村選手はレース中に休んだり、そういう部分を学ぶことができた。それを箱根駅伝に生かしたい」と収穫を口にした。

 監督が運営管理車から選手に指示を伝える「声掛け」に期待しているという。ここぞという場面で選手を奮い立たせる大八木監督の「男だろ!」は有名だが、田沢は好成績ゆえに声を掛けられる回数が少ないという。前回3区で区間賞を逃した悔しさを晴らしたいと意気込むエースは「ガッツが出る言葉を掛けてほしい」とリクエスト。静かな沿道に名将の一喝が鳴り響けば、「常勝軍団」復活ののろしとなるかもしれない。

 ◆田沢 廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日生まれ、青森県八戸市出身の20歳。是川中―青森山田高。高校3年時にアジアジュニア選手権5000メートル銀メダル。前回の箱根駅伝は3区で3位。今年11月の全日本大学駅伝では最終8区で区間賞を獲得した。趣味は音楽鑑賞。自己ベストは5000メートルが13分37秒28、1万メートルは27分46秒09。1メートル80、61キロ。

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