NFLワシントンが1巡目指名のQBを電撃解雇 地区Vがかかる最終戦直前の緊急人事

[ 2020年12月29日 09:57 ]

解雇されたNFLワシントンのQBドウェイン・ハスキンス(AP)
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 NFLワシントン・フットボールチーム(旧レッドスキンズ)は28日、2019年のドラフトで1巡目(全体15番目)に指名し、今季も開幕から4試合連続で先発していたQBドウェイン・ハスキンス(23)を「すべての面でNFLの基準に達していない」として解雇した。

 ワシントンは今季6勝9敗ながら1月3日の最終戦でイーグルスに勝てばNFC東地区の優勝が決まってプレーオフに進出できるだけに、その大事な試合を前にして1巡目指名のQBに見切りをつけた形。スポーツ専門局のESPNによれば、ロン・リベラ監督(58)がダニエル・スナイダー・オーナー(56)の了承を取り付けてチームのロースターから外すことを決定した。

 ハスキンスはオハイオ州立大時代の2018年シーズンに50TDをマークするなど大活躍したが、NFL入りしてからは不振。2シーズンで15試合に出場したがTD(12)よりも喫したインターセプト(14)の方が多かった。問題になっていたのは成績だけでなく、プレーに臨む選手としての基本的な姿勢を各コーチが疑問視。負けた試合のあと自分のパス成績を自慢したり、遠征先のホテルに知人の部屋を予約したりするなど“社会人”としての自覚の欠如を指摘する声が多かった。

 リベラ監督はハスキンスを今季序盤で先発QBの座をはく奪。故障者が続出したために、地区優勝がかかっていた前週のパンサーズ戦(●13―20)では2試合連続で先発として起用されたが、ターンオーバーを3回(うちインターセプト2回)喫するなど精彩を欠き、第4Qはベンチに下げられていた。ハスキンスはこの試合を前にしてパーティーにマスクなしで出席して4万ドル(約420万円)の罰金を科せられており、結局プレーでも存在感を示せなかったことで解雇。ハスキンス本人は「NFLのQBとして基準に達しなかったのは自分の責任。この経験を生かしてより良い選手と人間になりたいと思う」と反省の弁を述べたが、本来“金の卵”だったはずの1巡目指名QBとしては2季目にして残念な“末路”となった。

 なお優勝がかかるイーグルス戦では、パンサーズ戦でハスキンスのあとに起用されたドラフト外入団のテイラー・ハイニッキ(27)が先発する見込み。ただし11月8日に右脚を骨折したアレックス・スミス(36)が間に合えば、2005年ドラフトで全体トップで指名されているベテランが出場すると見られている。

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