常翔 通算100勝&V6へ爆勝発進 小兵WTB中村が圧巻の6T

[ 2020年12月29日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会1回戦   常翔学園76―0日川 ( 2020年12月28日    花園ラグビー場 )

<常翔学園・日川>前半5分、自陣から独走して先制トライを決める常翔学園・中村(撮影・北條 貴史)
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 中村、中村、中村、また中村だ。常翔学園のWTBが前半に4連続でトライを挙げた。5分に奪った最初の1本は個人技。左サイド中央ライン付近からヒラリヒラリと3人かわして50メートル独走トライ。強いFWがパワーとオフロードパスで日川を蹴散らし、外で待つ50メートル6秒1の快足がフィニッシュ。この形で次々得点を奪った。

 「体が1番小さいので、どうやってチームに貢献できるのかを考えたら、トライを取り切ること。そういう気持ちでやっています」

 後半25分のラスト1本も1メートル71、71キロの小兵が締めくくり、チームの半数の6トライを1人で稼いだ。昨夏はAチームに選ばれながら11月に鼻を骨折。仲間の花園4強をスタンドから見守り、「火が付いた」と、目の色が変わった。

 学校グラウンドは、前校名の大工大高時代から変わらず、大阪市の淀川の河川敷にある。歴代OBがしたように、30メートルほどある雑草が茂った土手の坂道をダッシュした。単に走るのではなく、4人を次々と抜くような実戦的な形にした。

 5度目の日本一となった前回優勝12年度の主力で、7人制日本代表の松井千士(26=キヤノン)も取り組んだという「ワンオンワン坂ダッシュ」の結果、「足りないものが克服できた」と、速さに強さを上乗せした。野上友一監督(62)は上半身の力強さも認める。「去年はベンチプレスで80キロを持ち上げられなかった。力がないからアカンってメンバーから外したけど、この夏は上げていた」。充実した肉体で大勝発進に貢献した。

 出場39回で積み上げた全国通算勝利数を1つ加え、97勝になった。史上3校目の大台到達へあと3勝。頂点まであと5勝だ。

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2020年12月29日のニュース