東海大静岡翔洋、秋田工の壁…12トライ許し零敗 清主将「通用しなかった」

[ 2020年12月29日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会1回戦   東海大静岡翔洋0―68秋田工 ( 2020年12月28日    花園ラグビー場 )

<東海大静岡翔洋・秋田工>前半、果敢な突破を見せる東海大静岡翔洋・栗本(撮影・北條 貴史) 
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 3大会ぶり11度目の出場の東海大静岡翔洋は秋田工に0―68で敗れた。就任1年目の津高宏行監督(37)の下「走り勝つラグビー」を目指したが、ともに最多の68度出場、15度優勝の伝統校に12トライを許し、無得点。県勢としては7大会ぶり初戦敗退となったが、メイングラウンドで積んだ苦い経験を各自、チームの成長につなげていく。

 伝統校の壁は高かった。秋田工がこの日、12本目のトライを挙げ、SO桜庭がゴールを決めた直後にノーサイドの笛。ベンチに戻った翔洋フィフティーンの頬を涙がつたった。フッカー清主将は「花園で暴れたいと準備したことが強豪校には通用しなかった。一人一人のコンタクトが全国レベル。FWとしてモールを止められなかったことに責任を感じる」と肩を落とす。

 啓光学園(現常翔啓光学園=大阪)時代に日本一を経験している津高監督だが、指導者としては苦い花園デビュー。「思った以上に(秋田工の)フィジカルが強くて引いてしまった。全てに関して相手が上、これが全国」と声を振り絞った。

 序盤こそ持ち前のスピーディーな展開ラグビーで攻め込んだが、秋田工の防御を崩せず。時間の経過とともに相手のFW陣の強さ、展開力に圧倒されていった。津高監督は「一つのミス、一つのプレーで大きく流れが変わる。走るだけでは勝てない。フィジカルも上げていかないと全国では通用しない」と再出発への課題を口にした。

 この試合でラグビー人生に区切りをつける清は「自分たちの代よりも強い選手がそろっている。来年、再来年、この経験を糧に全国を勝ち上がってほしい」と後輩にエールを送った。この日は1年生のロック名取をはじめ、4人の1、2年生が先発。後半22分まで出場したWTB杉山朝は「来年は自分がチームを引っ張る。花園に出られるような体づくりをしていきたい」と、まずは2年連続の花園出場から、先輩が果たせなかった全国1勝以上を目指す。

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2020年12月29日のニュース