御所実 難敵報徳を撃破 名将竹田監督の花道Vへ一丸!!

[ 2020年12月29日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会1回戦   御所実24―5報徳学園 ( 2020年12月28日    花園ラグビー場 )

<御所実・報徳学園> 健闘を称えあう両校フィフティーン(撮影・大森 寛明)
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 澄んだ青空と緑の芝生に漆黒のジャージーが映えた。激戦の近畿ブロックを勝ち上がってきた報徳学園との初戦。屈指の好カードは御所実に軍配が上がった。前半9分、ゴール前でPKを得ると、竹田寛行監督(60)は迷わずPGを指示した。「普段なら狙わない」という時間帯だが、1回戦のみ通常より5分短縮された25分ハーフを意識した戦い方で主導権を握った。

 前半25分はゴール前中央ラックから左へ展開。最後はプロップ小林が左中間へ飛び込んだ。その直前、モールやラックで圧力をかけ続けたことで、堅い防御網を突き破った。殊勲の背番号3は「僕らFWの強みでもあるモールは(奈良決勝戦の)天理戦から自信があったので、今日もしっかり発揮できました」と胸を張った。

 FWの強さが特色の一つだが、バックスにも魅力あふれる選手がそろう。筆頭格がSO安田だ。昨季、U―17日本代表にも選出された逸材。前回大会はWTBで4トライを奪った。守備ではFBに回り、キック処理からたびたびロングゲイン。好機を演出した。「FWが体を張ってくれた。自分はボールを持つ回数が多いので、人を生かして自分も生かさないと」。FWの頑張りに尽きた一戦とあって、反省ばかりが口をついた。

 竹田監督が赴任して32年目。今年度(来年3月)で迎える定年退職と100回の記念大会が重なった。教員として迎える最後の花園だ。

 前回大会を含む準優勝は実に4度。“最後の教え子”たちの目標は明確だ。中学時代に母を亡くし、指揮官の自宅に下宿する小林は部の総意を代弁した。「日本一を獲って最後は花園のグラウンドで胴上げしたい」。悲願の初優勝へ――。難敵を退け、御所実の熱い冬が始まった。

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2020年12月29日のニュース