札幌山の手 無念逆転負け、負傷退場の木津谷主将悔し…ベンチでノーサイド

[ 2020年12月29日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会1回戦   札幌山の手14―19鹿児島実 ( 2020年12月28日    花園ラグビー場 )

<鹿児島実・札幌山の手>後半、タックルで鹿児島実の突進を阻む札幌山の手・浜谷(撮影・坂田 高浩)
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 1回戦が行われ、3年連続19度目出場の札幌山の手は鹿児島実に14―19で敗れ、16年以来4大会ぶりの初戦敗退を喫した。3年連続5度目出場の旭川龍谷は0―15で山形中央に敗れ、41大会ぶりの白星はならなかった。今年度は100回記念大会で北海道から3校が出場したが、27日の函館ラサールに続き、道勢は初戦で姿を消した。

 まさかの逆転負け。ノーサイドの笛が鳴り、札幌山の手の選手たちが肩を落とした。後半22分に右足首を負傷し、退場したSOの木津谷勇輝(3年)はベンチで仲間の最後を見届けた。

 「キャプテンとして最後までグラウンドに立てなかった情けなさと、仲間を信じるしかなかった悔しさが入り交じった。最後の惜しい場面で自分がコントロールできていれば…」

 前半6分に先制を許したが、同13分に22メートル付近からパスをつないで木津谷がトライ。自らゴールも成功し、同点に追いついた。同21分にはプロップ広部竜成(3年)がトライを決めて勝ち越し。だが後半に入ると、2トライを奪われて逆転された。最後は敵陣で攻め続けたが、トライを奪えず、広部は「勝てる試合で負けて悔しい。木津谷の分までフォワードで取り切りたかった」とうなだれた。

 木津谷は兄・元気さん(24=あいおいニッセイ同和損保)も同校で主将を務めた。父・富紀さん(52)や兄の影響で10歳からラグビーを始め、「自分も花園でプレーしたい」と背中を追った。昨年は2年生で出場し、1回戦突破。今年はコロナ禍の影響で全体練習自粛など主将として悩んだ時期もあったが、3年連続の花園を果たし、初の3回戦進出を目標に乗り込んだ。無念の初戦敗退。卒業後は同校OBリーチ・マイケル(32)の母校・東海大でラグビーを続ける。

 新チームはWTB吉田慎吾(2年)が主将を務める。木津谷から「来年は任せた」とバトンを託された新主将は「ここに戻ってきて、まずは花園1勝」とリベンジを誓った。

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