JOC含む関連7団体が声明 「選手への動画・写真による性的ハラスメント」防止へ 悪質盗撮問題にメス

[ 2020年11月13日 15:00 ]

「アスリートへの写真・動画による性的ハラスメント」ステートメントデザインチラシ
Photo By 提供写真

 日本オリンピック委員会(JOC)は13日、アスリートの盗撮や性的目的のSNS投稿などに基づいた「アスリートへの動画・写真による性的ハラスメント」について、JOCや日本スポーツ協会を含むスポーツ関連7団体で声明を発表した。

 アスリートの盗撮問題は、室内競技や屋外競技などの競技特性や大会規模によって状況が異なるため、これまで競技ごとに個別に対応されてきた。しかし単一競技団体では対応に限界があり、SNSなどのツール発達も相まって、盗撮のほかにも通常の競技写真に卑猥な言葉を添付して投稿するなど、問題は多岐にわたっている現状。

 来夏に自国開催の東京五輪・パラリンピックを控えているこのタイミングで、改めてアスリートが安心して競技に取り組める環境を守ること。そして東京大会以降も多くの方がスポーツに親しみ、楽しんでもらう上で不可欠な事案として、取り組みがスタートした。

 今回関連7団体は、性的ハラスメントの防止を呼び掛けるチラシを作成。さらに性的ハラスメントに関連した写真などについて、一般の方から情報提供を求める特設サイトも本日よりオープン。アスリート自身にもネットやSNSで身を守るための必要性を啓発する研修を実施する。

 今後はファンによるSNSでの発信が競技普及の側面も持っているため、一部の悪質な盗撮者との線引きを検討。SNSでの拡散対応はスポーツ界のみで根本的な解決は難しいため、引き続き関係各所と協力を進めていく。またユニフォームに問題がある、などの議論は今回の問題の本質を捉えていないため、取り上げない方針だ。

 日本スポーツ振興センター(JSC)を除く関連6団体は、本日にもスポーツ庁に協力要望書を提出する予定。取り組みを主導するJOC籾井圭子常務理事は「まずは第一歩。少しずつ前に進みたい」と話していた。   

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2020年11月13日のニュース