貴景勝 一人大関で奮闘5連勝 2年ぶりの優勝&年間最多勝も視野 「集中して自分の相撲を取る」

[ 2020年11月13日 05:30 ]

大相撲11月場所 5日目 ( 2020年11月12日    両国国技館 )

大栄翔(右)を突き出しで破る貴景勝(撮影・白鳥 佳樹)
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 横綱、大関陣でただ一人出場の大関・貴景勝が大栄翔を突き出して5戦全勝とした。元大関・照ノ富士も北勝富士を豪快に投げて5連勝。新大関・正代は左足首の負傷で休場した。全勝は貴景勝、照ノ富士のほか、平幕・千代の国と志摩ノ海の4人に絞られた。

 大栄翔を突き出すと客席で水色の貴景勝応援タオルがひらひら揺れた。結びの一番を盤石の相撲で締めくくった貴景勝が、懸賞金の束をがっちりつかみ肩で呼吸をする。昨年秋場所以来、6場所ぶりに初日から5連勝とし、「一生懸命、自分の攻めをすれば後悔しない相撲が取れるのではないかと思ってやった」と振り返った。

 いつも激しくなる大栄翔戦だが、この日は違った。立ち合いで相手よりも先に踏み込み、体を起こされながらすぐ2歩目を出した。さらに相手のお株を奪う回転の速い突っ張り。真っ向勝負を身上とする埼玉栄高の先輩に反撃を許さず「今日は今日の相撲があるので集中してやりました」とうなずいた。

 朝乃山に加え、正代も休場したことで、2年ぶりの優勝だけでなく、年間最多勝争いでも1位になる目が出てきた。5日目を終えて年間勝利数は1位は正代の48勝、2位は朝乃山の44勝、3位が貴景勝の43勝だった。だが、上位2人が休場して正代とは5差に迫った。新大関の休場にも「自分は自分。あまり人のことは考えず、その日の一番に集中している」と気持ちがぶれることはない。

 抜群の安定感に伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)は「何もさせなかった。しっかり前に出て立ち合いで決まった」と絶賛。貴景勝以外、横綱・大関が不在となり「一人大関だからこれからもしっかり引っ張っていかないといけない」と期待を込めた。残り10日間。結びを締める立場になった24歳の大関は「しっかり集中して自分の相撲を取りたいと思う」と口元を引き締めた。

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2020年11月13日のニュース