藤田寛之のレッツビギン!!実践編 ミススポーツ上達の道【第7回 左足下がり・左足上がりの打ち方】

[ 2020年11月13日 12:00 ]

左足下がり・左足上がりの打ち方について解説する藤田寛之プロ(左)
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 第7回は左足下がり、左足上がりのライからの打ち方を元賞金王の藤田寛之プロが紹介します。丘陵コースではラフはもちろん、フェアウェーでも平らなライから打てるとは限りません。左足下がりや左足上がりのライから打つときの球筋を把握し、ナイスショットをするコツを頭の中に入れておくだけで、結果は大きく変わります。ミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんが早速トライしました。進行役をティーチングプロのジミー常住氏が務めます。

 常住 今回は左足下がりの打ち方からお願いします。

 藤田 傾斜の中で最も難しいライですね。ポイントは斜面に逆らわずに立つことです。体重を左足に多く乗せ、膝、腰、肩のラインが斜面と平行になるように体を傾けたら、その傾きをキープしたままスイングします。斜面と平行に体を回すイメージです。

 常住 傾斜に逆らって立つとどうなりますか?

 藤田 ボールの手前をダフリますね。アベレージゴルファーによく見られるミスだと思います。あと、ボールが上がりにくいので、最初から低い球を打つ意識を持ちます。その辺りに気をつけて田中さんに打ってもらいましょう。

 ※ボールの頭を叩いてしまい、低く転がっていきました。

 田中 ボールに当たる気がしませんでした。

 藤田 難しいライなのでミスは仕方がありません。ただ、ボールを上げようという意識が強かったように感じます。肩のラインが上がってしまうと、間違いなくボールの手前を叩きます。田中さんは手前を叩いた後にヘッドがボールの頭に当たってしまいました。最初から低い球を打つ気持ちがあると、結果が変わってきます。他の注意点としては大振りを避け、ヘッドアップをしないことです。また、多少スライスするので、目標の左を向いて構えましょう。

 田中 複雑なんですね。

 藤田 どうしても上手く打てないときは、ボールを右足よりも右に置いて打ってみましょう。ダフリを防げます。

 常住 それでは次に左足上がりの打ち方をお願いします。

 藤田 傾斜の中では難易度が最も低いものの、フックが出たり、振り抜きが悪いなどのストレスはかかるので気をつけましょう。打ち方は2通りあります。1つが傾斜に逆らわずに立って打つ方法です。右足に体重を多く乗せ、膝、腰、肩のラインは斜面と平行にします。そのまま体を斜面と平行に回します。これだとクラブの振り抜きはよくなりますが、フックが出やすいのが特徴です。また、ボールが高く上がる分、飛距離が落ちるので、大きめのクラブを持ちましょう。

 常住 もう1つは?

 藤田 傾斜に逆らって立つ打ち方です。今度は左足に体重を多く乗せます。自動的に地面に対してヘッドを打ち込む形になるので、クラブの振り抜きはよくありません。インパクトで終わるイメージで打ち、あとは惰性で振り抜くだけです。ボールがロフト通りに飛んでいくので、距離感を合わせやすく、フックがかかりにくいので、狙った方向に打てるのが特徴です。自分に合った打ち方を選択するべきですが、ショートアイアンで打つ場合、傾斜に沿って立つと、ボールが上がり過ぎてしまいます。滞空時間が長くなると風のなどの影響も受けやすく、左右に曲がりがちです。飛距離よりも方向性重視のクラブでもあるので、傾斜に逆らって立つ打ち方のほうがいいでしょう。

 (取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの51歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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