隆の勝“貴効果”で2敗死守 貴景勝ら“合併組”助言で武器確立&馬力アップ

[ 2020年3月19日 05:30 ]

大相撲春場所第11日目 ( 2020年3月18日    エディオンアリーナ大阪 )

石浦(左)を押し出しで破る隆の勝(撮影・成瀬 徹)       
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 好調の平幕・隆の勝が苦手な石浦を押し出して9勝目。連敗を免れてトップとの1差を守った。横綱・白鵬は北勝富士を一方的に押し出して10勝目を挙げ、碧山とともに1敗で首位をキープ。1敗の2人を2敗の鶴竜、朝乃山、御嶽海、隆の勝が追う。

 直近2連敗している石浦戦。くせ者を退けた隆の勝が支度部屋から出てくるなり、してやったりの表情を見せた。「突っ込まないように考えていった。(相手を)見て立ったら中に入られる。今場所はそうはいかないぞと、中に入らせないように相撲が取れた」。前日の黒星を引きずらず9勝目。目標の2桁勝利は目前となった。

 立ち合いは石浦に右から張られて左を差された。だが、すぐに突き放して立て直し、得意の右差し。左から絞られたが強引にねじ込み得意の体勢に持ち込んだ。稽古場では同部屋の大関・貴景勝を押し込むほどの馬力で軽い石浦を一蹴。最後も得意の体勢で勝負を決めたことで「(右が入り)安定したのかな」と胸を張った。

 “合併効果”で磨かれた。武器の右差しは貴景勝からの言葉で自信を得た。「去年の九州で大関に“右差しいいですね”と言われてからやるようになった」。右に頼りすぎて体勢が崩れることもあったが、貴源治から「左使った方がいいですよ」と言われ左差しも覚えて馬力アップ。「以前は右差しもなかったし左も使えていなかったのでありがたい」。感謝の気持ちを白星につなげた。

 勝ち星を伸ばす中、12日目は朝乃山との2敗対決が組まれた。右差しを得意とする大関候補を迎え「組んだら死ぬ。差させないようにしないと。当たって押すのを意識してやりたい」と四つ身ではなく突き押しで対抗する構え。大きな壁に真っ向からぶつかる覚悟だが、それでも「いつも通り淡々とやりたい」と心は冷静だ。

 ◆隆の勝 伸明(たかのしょう・のぶあき=本名石井伸明)1994年(平6)11月14日生まれ、千葉県柏市出身の25歳。小3で相撲を始め、中学卒業後に千賀ノ浦部屋に入門。10年春場所で初土俵。17年九州場所で新十両、18年秋場所で新入幕。最高位は前頭9枚目。1メートル83、163キロ。

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