羽生結弦、語った3分22秒「ものすごく自分でいられる」

[ 2020年2月5日 19:37 ]

<フィギュア四大陸選手権公式練習>練習を終えた羽生結弦はプログラム変更の真意を話す(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケート四大陸選手権は6日、韓国・ソウルで開幕する。男子の羽生結弦(ANA)は5日午後、メインリンクでの公式練習で調整した。

 平昌五輪後、SP「秋によせて」、フリー「Origin」を2季続けて演じてきたが、今大会からSP「バラード第1番」、フリー「SEIMEI」と平昌を制した演目に変更。練習後の取材では、3分22秒にわたってその理由を説明した。

 日本と韓国のメディア、それぞれ5分ずつ取材時間が割り当てられた。日本メディアの取材が始まって1分36秒後、演目変更について問われると「えっと、たぶんこの話だけで、たぶんこのインタビュー終わると思うんですけど」と話し始めた。

 最初に言及したのが技術面だった。「高難易度のものを入れれば入れるほど、やっぱりまだ僕にはスケートの部分がおろそかになってしまったりとか。曲から1回頭を変えて、曲を1回外して、そのジャンプにセットしにいかないといけないというのがやっぱり嫌だった。それがやっぱり耐えきれなかったっていうのが大きいです」と説明する。

 次に音楽的な観点から言葉をつなぐ。「秋によせて」はジョニー・ウィアー氏がかつて演じ、「Origin」はエフゲニー・プルシェンコ氏の伝説的なプログラム「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジ。羽生が憧れる両者との関わりが深かった。

 「何かウィアーさんとプルシェンコさんの背中をずっとおいかける少年のままいたような感じがしたんですよ、すごく。だから、確かに全日本のオトナルは良かったと思いますし、スケートカナダのOriginも良かったと思うんですけど、でも、やっぱり、自分の演技として完成できないなっていう風に思ってしまいました」

 完璧な一体感を得られなかった理由は明白だった。

 「あまりにも理想が高いがゆえに。で、その理想がたぶん僕じゃなくて、プルシェンコさんあったり、ジョニーさんの背中がたぶん理想だったと思うんです。だから、そう考えた時にやっぱり、僕のスケートじゃないのかなということを、メダリスト・オン・アイスでSEIMEIをやった時にあらためて思いました」

 昨年末の「メダリスト・オン・アイス」で「SEIMEI」を演じた時、「なんかカバー曲とオリジナル曲じゃないですけど、そのくらいの違いをなんか自分の中ですごく感じて」と言う。五輪を制した2つのプログラムは既に伝説と化し、「寝させてあげたかった」というのが本音だが、自分らしく滑るために今、必要なものだった。

 「メダリスト・オン・アイスで力を借りた時に、あの時の精神状態だったからこそかもしれないですけど、ものすごく自分でいられるなって思って。それで、うん、もう少しだけ、この子たちの力を借りてもいいかなって思いました、はい」

 思いが伝わる3分22秒。羽生は勝負のリンクで羽生らしく舞う。自らに力を与えてくれる、黄金のプログラムに身をゆだねて。

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