羽生 伝説的演目回帰の理由に初めて言及 男子初の「スーパースラム」へ「壁」越える

[ 2020年2月5日 05:30 ]

韓国入りした羽生結弦(左)はオーサー・コーチの陰に隠れて歩く(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケートの四大陸選手権は6日に開幕する。4度目の出場で初優勝を狙う羽生結弦(25=ANA)は4日、拠点のカナダ・トロントから韓国入り。シーズン途中の演目変更について初めて言及した。女子の紀平梨花(17=関大KFSC)らは公式練習で調整。4回転サルコーの成功はなかったものの、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は何度も成功。3回転ルッツも組み込んだ構成で連覇を狙う。

 仁川空港の到着ゲートに現れた羽生は、柔和な表情だった。平昌五輪閉幕以来、708日ぶりの韓国。同行したオーサー・コーチの後ろに隠れるしぐさも見せるなど、リラックスムードだった。新型コロナウイルスによる肺炎への予防も完璧で、自身が愛用する「くればぁ」社の高性能マスクを着用。到着ロビーでは、押し寄せた韓国メディアやファンに「危険なので」「走らないでください」と自ら注意するなど“熱気”にも冷静に対応した。

 くしくも、五輪2連覇を達成した地・韓国でショートプログラム(SP)、フリーとも平昌五輪で舞った伝説のプログラムに回帰する。その理由について初めて言及し「自分が目指しているフィギュアスケートとして、できるものが今は(フリーの)SEIMEIと(SPの)バラード第1番が一番かなと思った。そのプログラムたちと一緒にまた滑りたいなと心から思えた」と語った。自分らしさを最大限に発揮するための攻めの選択だったことを強調した。

 羽生は過去3度準優勝の四大陸選手権を「壁」と形容したことがある。ジュニア、シニアを通じて唯一、獲得していない主要国際大会だからだ。IOCが運営する専門メディア「オリンピックチャンネル」は男子初の「スーパースラム」が懸かると紹介した。世界的な注目を集める中で迎える20年初戦。羽生には、王者の称号だけが似合う。

 《報道陣も体温チェック》○…新型コロナウイルスによる肺炎が世界へ広がりを見せ、会場でも厳戒態勢が敷かれた。観客には入場前に「最近の湖北省への渡航歴」などのチェックシート記入と体温測定を実施。さらに報道陣に対しても取材用のIDカードを受け取る前に同様の措置が取られた。体温が37.5度を超えるとIDは受け取れないという。

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