羽生 4年ぶり全日本選手権「敬意を持って、全力でぶつかる」

[ 2019年12月19日 05:30 ]

<フィギュア全日本選手権開会式>並んで笑顔を見せる(右から)羽生結弦、高橋大輔、宇野昌磨(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケートの全日本選手権は19日、東京・国立代々木競技場で開幕する。男子で14年ソチ、18年平昌連覇の羽生結弦(25=ANA)は、4年ぶりの出場で5度目の頂点を狙う。18日にカナダ・トロントから帰国する強行軍となったが、全てのスケーターへ敬意を込めて全力で戦う覚悟を示した。19日は女子ショートプログラム(SP)などが行われる。

 スーツ姿で開会式に臨む羽生は、襟を正す思いだった。右を見れば高橋、宇野がいる。左には同学年の田中がいた。4連覇を果たした15年以来となる、日本の頂上決戦。「居場所がなかったらどうしようとか思ったけど、懐かしい面々もいた。言葉を交わせてよかった」。そう語りつつも、トップを走る男のプライドもにじむ。「ここからは試合。みんな敵だと思っている。しっかりぶつかっていく」。全身全霊で頂点を獲りにいく覚悟を示した。

 身が引き締まる一幕があった。来年1月からアイスダンスに転向する高橋とは14年ソチ五輪以来の勝負。シングルでの対戦はこれが最後となる。開会式で再会し「久しぶりだね」と会話。「スケーターとしてのオーラがあった」と振り返った羽生は、高橋ら多くの選手が全日本のために努力をしてきたことも実感する。「ここだけのために合わせてきた選手もたくさんいる。そういう選手たちに凄く敬意を持って、失礼にならないよう全力の演技でぶつかっていきたい」。万感の思いを自らの演技に込める。

 強行日程は言い訳にしない。11月下旬には札幌開催のNHK杯があり、イタリア・トリノでのGPファイナルではチェン(米国)との激闘を演じた。フリーで4回転4種5本に着氷する魂の演技から中1週間。この日、トロントから帰国し、20日のSPへ仕上げていく。「久しぶりの3連戦。いろいろ考えさせられながら練習したり、日々を過ごした」。疲労はもちろんある。フリーでは大技ルッツを除く4回転3種4本に戻すが、完璧な演技で4年ぶりの戴冠を狙う。

 準優勝のGPファイナルではSPまでコーチ不在のアクシデントがあったが、今大会はオーサー、ブリアンの両コーチが駆け付ける。勝利に飢える王者は、2019年を優勝で締めくくる。

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