八村を欠くウィザーズが痛恨の黒星 第4Qで18点リードも大詰めで3度の致命的ミス

[ 2019年12月19日 12:28 ]

延長残り9秒に逆転のシュートを決めるブルズのカーターJR(AP)
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 八村塁(21)を「鼠径(そけい)部の挫傷」で欠くウィザーズは18日、地元ワシントンDCで延長の末にブルズ109-110(前半52―58、延長11―12)で敗れて8勝18敗。第4Qの3分39秒の時点で18点をリードしながら、このクオーターの終盤と延長で致命的なミスを3度も犯して目の前にあった白星を手放してしまった。

 最初の大きなミスは96-93で迎えた残り5・5秒。ここでウィザーズのダビス・バターンズ(27)が、3点シュートを狙ったブルズのザック・ラビーン(24)による反則誘発のためのシュート・モーションにあっさり引っかかって3本のフリースロー(FT)を献上。これをすべて決められて同点にされた。

 リーグ屈指の身体能力を誇るラビーンのシュート力と3点という点差を考えれば、シュートを打つ前に「ファウルゲーム」に持ち込んでFTを打たせれば「2失点」で済んだはずだが、それを選択せず、揚げ句に絶対にやってはいけない反則を犯すというNBAらしくないプレーと戦術。直後のプレーでウィザーズはこの日22得点のブラドリー・ビール(26)がジャンプシュートを決め、残り0・5秒で98―96と再びリードを奪って勝利は確実かと思われが、今度はイサック・ボンガ(20)が、スローインからゴール下に飛び込んだラビーンに接触してまた反則をコールされ、このFT2本をラビーンが沈めて試合は延長にもつれこんだ。

 ラビーンはインサイドに飛び込んだ時点ですでにバランスを崩しており、0・5秒で体勢を立て直してシュートを放つのは不可能。しかしボールに触る前にボンガが接触してしまったたために、ゲームクロックは動かず「0秒」で相手にFT2本をプレゼントするというまさかの大失態となった。

 3つ目のミスは延長の残り39・9秒。ウィザーズはこの時点で109―106と3点をリードしていたが、ブルズのウェンデル・カーターJR(20)に2本のFTを与えていた。1本目は入れられたが、今季のFT成功率が71・0%のカーターJRは2本目をミス。ウィザーズには2点差でマイボールになる可能性があった。

 ところがこの日、「2―WAY契約」を締結してマイナーのGリーグから昇格してきたラトビア出身のセンター、アンジェイス・パセチニクス(23)が、カーターJRがボールをリリースする前にペイント内に侵入したとしてバイオレーションを宣告され、カーターJRは「打ち直し」となった2本目を入れて1点差となった。そして残り9・1秒、ラビーンのパスを受けてそのカーターJRがゴール下でシュートをねじ込んでこれが決勝点。ウィザーズは第4Q残り5・5秒からなんと5失点で追いつかれ、延長でもミスで勝機を逃して今季2度目の連勝を逃してしまった。地元放送局の実況アナは「Devastated Loss(精神的に打ちのめされる敗戦)」と表現。八村を今季初めて欠いたウィザーズは、試合終盤での「ゲーム・マネジメント」がまったくできずに敗れ去った。

 ラトビア出身のバターンズ(27)は3点シュートを13本中7本を成功させて23得点をマークしたが後半以降は2点のみ。ブラドリー・ビール(26)は22得点を稼いだものの、延長の最後の場面ではシュートを決めることができなかった。

 ブルズは11勝20敗。フィンランド出身のラウリ・マーカネン(22)が31得点、ザック・ラビーン(24)も24得点をマークし、ウィザーズからもらった形の?3度のチャンスをうまく生かした。

 なおウィザーズは20日のラプターズ戦からはロード4連戦。ワシントンDCでの次戦は28日のニックス戦となる。

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2019年12月19日のニュース