五輪代表内定の文田 絶妙な距離感で育てた父・敏郎氏

[ 2019年9月17日 06:30 ]

レスリング 世界選手権第3日 ( 2019年9月16日    カザフスタン・ヌルスルタン )

男子グレコローマン60キロ級準決勝、試合に勝利し胸元の日の丸を誇示する文田(撮影・会津 智海)
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 【記者フリートーク】文田少年には反抗期がなかったという。小学生時代は父・敏郎氏が高校生を指導する傍らでマット遊び。中学では授業が終わると徒歩10分の韮崎工に通った。「友達と遊びたいとか言い出すかと思ったけど、弱音を吐くことなく毎日来た」と敏郎氏。高校に入学してからは常に真っ先に怒ったというが、文句一つなく教えに忠実だった。

 卒業後、地元を離れてからは連絡もなくなり「今が反抗期かも」と苦笑い。だが、これが親離れして一人で世界と戦う上で「ちょうど良い」タイミングの反抗期になった。

 世界選手権代表を決めた6月の全日本選抜後、「初めて」腕時計を贈られた。その時のLINEのやりとりを見せてもらうと、敏郎氏が「ありがとう」と足首にはめた写真を送るこん身のボケに「足じゃん」としっかりツッコミ。恩師であり、父。この距離感が世界の文田を育てた。(レスリング担当・鳥原 有華)

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2019年9月17日のニュース