【荒磯親方 真眼】竜電、相手に当たらせないうまさ 白鵬戦も力出し切れば

[ 2019年7月10日 09:00 ]

大相撲名古屋場所3日目 ( 2019年7月9日    ドルフィンズアリーナ )

竜電は上手出し投げで栃ノ心(右)を破る(撮影・岩崎 哲也)
Photo By スポニチ

 私は1年前に竜電と稽古をしていますが「いてほしいところにいない力士」です。立ち合いでここだと思って当たっていっても、懐が深い分、当たる瞬間は実際には後ろにいたりします。結果、吸い込まれるようになってしまうのです。野球でもそうですが、当てようと思ったところで当てられないと6割、7割の力になります。2日目の高安戦もそうですが、栃ノ心にも当たらせませんでした。

 左上手を取って頭をつけてからは、円を描くような独特なステップで動きました。回りながら自分の形になれるのは体幹がぶれていないからです。上手出し投げも、投げというよりは独特の回転で倒したもの。4メートル55の俵の感覚が分かっていて、それは何千回と稽古を重ねたたまものと言えます。4日目の白鵬戦も力を出し切ればいい戦いができるはず。どこまで通用するか楽しみです。(元横綱・稀勢の里)

続きを表示

2019年7月10日のニュース