錦織 フェデラー戦は読み合い勝負 空間把握能力の高さ生かして

[ 2019年7月10日 09:15 ]

テニス ウィンブルドン選手権 ( 英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

ククシュキンを破り8強入りした錦織(AP)
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 【坂本 正秀の目】ククシュキンは難しい相手だった。低いスライスに最初は慣れず勝利への重圧もあったと思う。それでも3回戦まで体力が削られていないことで、頭の集中力も維持できていた。錦織は疲れると、先を読む力が散発的になる。全豪、全仏でも長い試合でペースが落ちてしまった。試合中にククシュキンがスライスを得意としていないことを見抜き、ラリー戦で粘り強く得点を重ねたことは分析ができている証拠だ。

 次戦はフェデラー。力と力の戦いはできない。意表を突く攻めや、錦織のバックハンドを相手がスライスで返した時にどう仕掛けられるか。相手の強烈なサーブを読み、自分のサーブでは打ち分けや変化をつけたい。試合の流れを先の先まで読み、食らいつくことが重要になる。

 コートと観客席の間が広いセンターコートは空間把握能力が高い錦織はやりやすいと思う。コートを俯瞰(ふかん)する彼のクリエーティブなプレーに期待したい。(WOWOW解説者、日本協会公認S級エリートコーチ)

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2019年7月10日のニュース