琴鎌谷が2勝目 初の十両土俵で高校の12学年先輩・明瀬山を撃破

[ 2019年5月14日 15:45 ]

大相撲夏場所3日目 ( 2019年5月14日    両国国技館 )

<大相撲夏場所3日目>押し出しで勝った琴鎌谷はこの日から結った大銀杏が取り組みで乱れる(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)の長男で東幕下2枚目の琴鎌谷(21=佐渡ケ嶽部屋)が初めて十両の土俵に上がり、埼玉栄高の12学年先輩で西十両13枚目の明瀬山(33=木瀬部屋)を押し出しで破り、2勝0敗とした。

 左上手を取って頭をつけ、寄り立てられても左に回って残った。「差されて(体が)浮いたら自分の相撲が取れない。しっかり(左上手を)取って意地でも離さないようにした」。相手の右下手が切れたところで勝負に出て、右喉輪で上体を起こして押し出した。「(喉輪は)しっかり芯を捉えられたので、腰を割っていけば突き落としも食らわない。焦らず、ひと呼吸置いてからいったのが良かった」と冷静な判断で勝ちきった。

 十両との対戦だったため、初めて大銀杏で臨んだ。「いつもは縛られている感じがあるので、思い感じがした。ぎごちなさはあったけど、逆に緊張がほぐれて良かった」と慣れない大銀杏すらもプラスに替えた。

 埼玉栄高の2学年後輩で弟弟子の琴手計が順調に番付を上げてきたことが刺激になった。「後輩が入ってきて焦った。自分はこんなところで何をやっているんだと思った。それが自分にはプラスになった」。そこから、相手のことをどうこう考えるのではなく「気持ちで相撲を取れるようになった」という。

 埼玉栄高の先輩の存在も励みになっている。1学年上の新大関・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)は昨年から同じ二所ノ関一門となり、しばしばアドバイスをもらっている。場所前の二所ノ関一門連合稽古の際には「地力がついてきているから、あとは自信を持っていけ。気持ちをしっかり持っていけば勝てる」と言われた。それを実践しての2連勝。「いいアドバイスをいただいた」と先輩への感謝の言葉を口にした。

 新十両に昇進すれば、父の元関脇・琴ノ若との親子関取になるだけでなく、祖父で元横綱・琴桜から3代にわたっての関取となる。だが、そういうことへの過度の意識はない。「なるようになるかなと思っている」と気負いはなく、一番一番の相撲に集中できている。

続きを表示

この記事のフォト

2019年5月14日のニュース