【岡崎真の目】紀平、少しのブレもあっさり修正 ポテンシャルの高さを改めて思い知らされた

[ 2019年2月10日 08:30 ]

フィギュアスケート 四大陸選手権第2日 ( 2019年2月8日    米カリフォルニア州アナハイム )

冒頭のトリプルアクセルをきっちりと成功させた紀平(撮影・長久保 豊)
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 紀平の演技は素晴らしかった。冒頭のトリプルアクセル(3A)は流れを損なわず、うまくまとまっていた。厳密に言えば本来の彼女ならもっと質のいい3Aを跳ぶことができるはずだし、他のジャンプもやや危なっかしいところがいくつかあった。ただ、それがミスに直結しないところが彼女の強みだ。枠が広いというか、少しぐらいのブレは身体能力の高さで普通に戻してしまう。ポテンシャルの高さを改めて思い知らされたような演技だった。

 今季は今回のようにSPで出遅れてフリーで逆転というパターンが非常に多い。うまくやってやろうという思いが強すぎるのか、あるいは緊張があるのか、SPの時はどうしても焦っているように見えてしまう。

 前日のSPのスタート時のポーズも、どんと立っているような感じではなく、足ががくがく動いていた。そわそわしてぐっと演技に入り込めていないような表情の時は失敗することが多い印象を受ける。5点差があっても簡単にフリーで逆転できる力があるのだから、もっと自信を持ってSPに臨んでほしい。世界選手権でもSPとフリーで3Aを3本決めれば、誰も彼女には対抗できないだろう。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2019年2月10日のニュース