モーグル・原、銅メダルを獲得 五輪に続く大舞台で輝きに「奇跡のよう」

[ 2019年2月10日 05:30 ]

フリースタイルスキー 世界選手権 ( 2019年2月8日    米ユタ州ディアバレー )

世界選手権モーグル男子で3位になった原大智(右)(AP)
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 モーグル男子は原大智(21=日大)が81・66点で3位に入り、昨年の平昌五輪に続いて銅メダルを獲得した。2連覇を狙った堀島行真(21=中京大)は81・30点で4位だった。平昌五輪覇者のミカエル・キングズベリー(26=カナダ)が84・89点で優勝。女子は冨高日向子(18=白馬ク)が8位、星野純子(29=リステル)は9位で、ユリア・ガリシェワ(26=カザフスタン)が優勝した。

 第1エアでコーク720(軸をずらした2回転)を鮮やかに決めると、板がスピードに乗った。男子の原は「このまま行くしかない。下手なことをしたら転ぶ」と意を決し、無心で急斜面を駆け降りた。第2エアもコーク720をグラブ(板をつかむ技)入りで決め、銅メダル。五輪に続き、大舞台で輝き「なんか奇跡のよう」と涙で息を詰まらせた。

 距離が長く、コブが大きいディアバレーは難コースとして知られる。昨季はW杯2戦でともに予選落ちし「絶望していた」。しかし、決勝1回目に6位で滑り込んだ2回目は序盤の勢いのままに最速タイムをマーク。ターン点は伸びなかったが、スピード点の貯金で堀島とのメダル争いを制した。

 平昌五輪で銅メダルを獲得。雪とは無縁の東京・渋谷育ちの都会っ子ということもあって、一気に注目を集める存在となった。それでも、本人は「3位なので」と浮かれなかった。同年代の堀島に「意識しすぎて大変」と強い対抗心を抱いて技を磨き「第2エアで大きく跳んでも(着地を)びたびたに合わせられた」と成長を実感する。

 ただ、難易度の高いエアをそろえたキングズベリーには見劣りした。「エアの難度がまだ一つ足りない。コーク1080(3回転)をできたら優勝が近くなるのかな」とさらなる成長を期した。

 《原大智の18年平昌五輪》 2月9日の予選では得点が出にくいとされる1番スタートながら80・01点の6位で決勝進出。同12日の決勝では2回目をトップで通過し、メダルを懸けて6人で争う3回目に抜群のターンを披露して82・19点。男子モーグルでは日本勢初の表彰台となる銅メダルを獲得。平昌五輪では日本選手団のメダル第1号だった。

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