稀勢、初場所へ泰然「あとは場所に臨むだけ」退路を断って出場正式決定

[ 2019年1月11日 05:30 ]

稽古後、報道陣の取材に応じる稀勢の里
Photo By 共同

 大相撲の横綱・稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)が進退を懸けて初場所(13日初日、両国国技館)に出場することが10日、正式決定した。東京都江戸川区の同部屋での稽古後に明言した。昨年九州場所では横綱で87年ぶりとなる初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、右膝負傷で途中休場。同年名古屋場所までの8場所連続休場もあり、横綱審議委員会からは史上初の「激励」が決議されていた。納得の調整を強調する和製横綱が退路を断って出陣する。

 出場を見据えて調整してきた稀勢の里に気負いはなかった。朝稽古後、まわし姿のまま取材に応じ、淡々と答えた。

 「去年からいい稽古ができている。非常に順調だと思う。あとは場所に臨むだけ。思い通り(の状態)に近づいてきている。焦りもない」

 2日目までの相手が決まる11日の取組編成会議の前日に、出場を正式に表明した。

 もう後がないということは自覚している。九州場所4日目。横綱では87年ぶりとなる初日からの4連敗を喫したその夜、休場を決意した際、師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)に「このままでは終われない。もう一回チャンスをもらいたい」と訴えた。その時点で初場所で進退を懸ける覚悟は固まっていた。

 8場所連続休場から進退を懸けて臨んだ昨年秋場所は、9場所ぶりの皆勤で10勝を挙げた。続く九州場所に向けた稽古では精力的な出稽古で手応えをつかみ「優勝を狙う」と言い切るだけの自信をつけた。だが、結果はついてこなかった。場所後の冬巡業を全休。その間、何が足りないかを模索し、「体を見つめ直すことができた」という。

 四股、すり足などの基本運動に時間を割き、相撲を取る稽古を再開したのは番付発表後の昨年12月26日。「みんな(何番取ったかなど)番数が好きだけど、そうじゃないと思う。人とやる稽古もあるし、自分と向き合う稽古もある」。体づくりを優先したことで、手応えは増していった。この日の稽古も基本運動だけで切り上げた。

 新横綱で優勝を飾った一昨年春場所に、左大胸筋などを痛めた。横綱の責任を果たそうと強行出場を続けた結果、回復が遅れて8場所連続休場を強いられた。体さえ戻ればという思いがあった中で、ようやく本来の状態に戻りつつある。休場があったとはいえ、負傷後は初めてとなる3場所連続出場。「やってみないと分からないが、やるべきことを集中してやれればいい」と自然体でいられるのは大きな変化だ。臨戦態勢は整った。

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